
公共料金をクレジットカード払いにする前に確認すること
公共料金のクレカ払いの手続きをする前に、クレジットカードで支払った方がお得になるのかどうかや、そもそも使っている電気やガス事業者がクレジットカード払いに対応しているかどうかをチェックしておきましょう。
口座振替の割引とクレジットカード払いのお得さを比べよう
会社によっては、支払い方法を口座振替にすることで割引になるサービスを実施していることがあります。その場合、クレジットカードで支払うよりお得なのではないかと気になりますね。
例えば東京電力では、口座振替で毎月55円の割引がされ、年間で660円の割引が受けられます。

専門家
池田星太さん
東京電力で毎月8000円の電気料金を払っている場合を考えてみましょう。
口座振替割引を利用:利用料金にかかわらず毎月55円割引
クレジットカード払い:ポイント還元率が1.0%のカードで支払うと電気料金だけで毎月80ポイントが還元される
この場合は、口座振替の割引55円よりクレジットカード払いでもらえる80ポイントの方がお得になります。

下の表を参考に、クレジットカード払いでのポイント獲得が割引金額を上回るかを確認してみましょう。
月の支払い額 | クレジットカード還元ポイント | 口座振替割引 | どちらがお得か |
---|---|---|---|
3000円 | 30ポイント | 55円 | 口座振替 |
5000円 | 50ポイント | 55円 | 口座振替 |
7000円 | 70ポイント | 55円 | クレジットカード払い |
1万円 | 100ポイント | 55円 | クレジットカード払い |

ポイント還元率が下がるカードに注意
公共料金をクレカで支払う場合、事業者がクレカ払いに対応はしていてもポイント還元率が下がってしまうケースがあります。例えばアメリカン・エキスプレスでは、通常100円ごとに1ポイントですが、下記のような支払いは200円ごとに1ポイントと半減してしまいます。
AMEXでポイント還元率が下がる事業者 | |
---|---|
電力会社 | 東京電力、関西電力、中部電力など |
ガス会社 | 東京ガス、大阪ガス、北海道ガスなど |
水道局 | 東京都水道局、横浜市水道局、名古屋市上下水道局など |
さらに、NHKの受信料払いはポイント付与の対象外となっています。
クレカ払いへの対応有無に加えて、上記のような獲得ポイントの減少がないかも事前にチェックしておきましょう。
公共料金をクレジットカードで払えるかをチェック
まずはじめに電気・ガスなど、自分が利用している公共インフラを提供している会社が、クレジットカードでの支払いに対応しているかを確認しましょう。
クレカ払いに対応している会社・事業者・自治体の例は以下のとおりです。
まずは、基本的なインフラである電気、ガス、水道です。水道局は自治体によって対応が異なるので、お住まいの地域の水道局に確認しましょう。
公共料金というと上記のようなインフラが真っ先に思いつきますが、毎月固定費としてかかるのは新聞や携帯電話料金などもありますね。
それぞれ以下にまとめました。

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池田星太さん
上記以外にも、クレカ払いに対応している公共インフラの会社もありますので、いつも利用している会社の公式ホームページをチェックしてみましょう。
公共料金を支払うクレジットカードの選び方
公共料金をクレジットカードで支払う前に知っておきたい情報はひととおり確認しましたね。
ここからは、公共料金の支払いに適したクレジットカードを選んでいきましょう。選ぶ基準としては、以下の3点です。ポイントを貯めたいなら還元率の高いカード、コストをかけたくないなら年会費が無料か安いカードを選びましょう。

公共料金支払いのカードを選ぶ基準
- 還元率
- 年会費
- ポイントの使い道&キャッシュバック
1.還元率
毎月の公共料金の支払いでポイントがコツコツ貯まるのがクレカ払いの大きなメリットです。
クレジットカードの一般的なポイント還元率は0.5%程度ですが、1.0%以上などの還元率が高いカードを選ぶのがおすすめです。

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池田星太さん
何円ごとにポイントがつくのかもチェックしましょう。
100円ごとに1ポイント、200円ごとに2ポイント、1000円ごとに10ポイントなど、カード会社によってポイントが付与される金額の単位が異なります。
同じ還元率でも、もらえるポイント数が変わってきます。
ポイント還元率の高いカードをもっと見たい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
2.年会費
カードの年会費はさまざまで、無料のものから10万円以上するものまであります。一般的には付帯サービスの多いカードほど年会費は高くなります。
公共料金を支払うという点に関してだけでいえば、年会費無料かなるべく年会費が安いカードを選ぶのがおすすめです。

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池田星太さん
カードの中には、公共料金の支払いを設定することでポイントがもらえるキャンペーンを不定期で開催している場合もありますので、カードを申し込むときにはぜひ確認してみましょう。
年会費無料のカードをランキングにした記事もありますので、ぜひ参考にしてください。
3.ポイントの使い道&キャッシュバック
「ポイントを貯めてもいつも結局使わない…」という方は、貯まったポイントが使いやすいカードにも注目しましょう。
クレジットカードの利用ポイントが貯まっても、効率よく活用できなければ無駄になってしまいます。また、ポイントの有効期限が短いといつの間にか失効してしまうこともあります。

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池田星太さん
ポイントの使い道が幅広く、身近なお店で使えたりAmazonポイントや楽天ポイントに交換できたりする場合は利便性が増します。また、dポイントやPontaポイントといった共通ポイントであれば、街中の身近な店舗で使うことも可能なため便利です。
また、ポイントが貯まるのではなくオートキャッシュバックの仕組みになっているカードを選ぶのも1つの手です。
ポイントが自動的にキャッシュバックされてカードの利用代金が割引される仕組みなので、ポイントの失効を心配する必要がありません。
専門家が選ぶ公共料金払いにおすすめクレジットカード
それでは、上の3つの観点でそれぞれ選んだ公共料金払いに適したクレジットカードを紹介します。それぞれカードの特徴を把握し、自分に最適な1枚を選んでください。
1.高還元率でおすすめカード
まずは年会費無料で高還元率のカードを厳選して紹介します。
JCB CARD W
高還元率のクレジットカードとしてまずおすすめできるのがJCB CARD Wです。
JCB CARD W
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
特徴
- 提携店舗での利用で還元率大幅アップ。アマゾン2.2倍、スターバックス5.5倍、セブンイレブン2倍
- 39歳以下が申し込めるWEB入会限定カード
- 利用付帯の海外旅行保険付き
- 先着75,000名様にAmazonプライムギフトコード3ヶ月分プレゼント(2021/3/31入会分まで)
- Amazon.co.jpで利用すると30%キャッシュバック(2021/3/31入会分まで)
- 新規入会後3カ月間ポイント4倍(2021/3/31入会分まで)
- 新規入会&条件クリアで最大8,000円分プレゼント(20213/31入会分まで)
- セブンイレブン利用で5%ポイント還元(2021/1/31利用分まで)
年会費無料で、ポイント還元率が通常のJCBカードの2倍の1.0%と、コストパフォーマンスの面で優れているカードです。
さらに「オリジナルシリーズ優待店ボーナス」があり、優待店での買い物ではさらに獲得ポイントが増えます。具体的な例を挙げると以下のとおりです。
- セブンイレブン:3倍
- ウエルシア:2倍
- スターバックス:10倍
- Amazon.co.jp:3倍

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公共料金の支払いはもちろん、普段のショッピングでもポイントが貯まりやすくなっているため使いやすいクレジットカードだといえます。
ただし、JCB CARD Wに入会できるのは39歳以下の人のみなので注意が必要です。39歳までに入会すれば、その後の年会費は一切かかりません。
リクルートカード
高還元率の定番カードといえば、リクルートカードは外せません。しかも年会費が無料です。
リクルートカード
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
- 新規入会で4000円分のポイントプレゼント
- 初めてのカード利用で2000円分のポイントプレゼント
- 携帯電話料金の支払いで4000円分のポイントプレゼント
- 期間限定ポイント、サイト限定ポイントあり
- 家族カード年会費:無料
通常のポイント還元率が1.2%と、国内のクレジットカードでトップクラスです。
貯まったリクルートポイントはPontaポイントに交換可能なのでポイントが使いやすく、身近なお店で利用しやすいのもメリットです。
【Pontaポイントが使えるお店の例】
コンビニ:ローソン、ローソンストア100など
ファストフード:ケンタッキー・フライドチキン、すき家、はま寿司など
家電:ビックカメラ、ソフマップ、コジマなど

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池田星太さん
リクルートが発行しているカードだけあり、リクルート関連サービスであるじゃらん.netで宿泊予約をすると還元率3.2%、ポンパレモールでのショッピングは4.2%の還元率となります。
公共料金をはじめ、あらゆる支払いをリクルートカードに集約することでPontaポイントがとても効率よく貯まりますよ。
2.年会費が無料or安いおすすめカード
続いて、年会費が無料か安いクレジットカードです。年会費がかかったとしても還元ポイントでペイできるカードもありますので、無料にこだわらなくても大丈夫です。
ビックカメラSuicaカード
ビックカメラとSuicaの提携カードで、日ごろからSuicaを使う人やビックカメラのユーザーにおすすめの1枚です。
ビックカメラSuicaカード
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
- 新規入会後50,000円のご利用ごとに1,000JREポイントプレゼント(最大2,000ポイント)
- オンライン入会時にJCBブランド選択で1,000JREポイントプレゼント
- 1000円で5~15p、1p=1円
- 初年度無料。年1回の利用で次年度の年会費無料
年会費は初年度無料、2年目以降は524円ですが、年に1回利用すると翌年度の年会費が無料になるため実質的には年会費無料といってよいでしょう。
Suicaのオートチャージ機能が利用可能で、チャージのたびにポイントが貯まる点も魅力です。
ビックカメラでは最大11.5%のポイント還元があり、それ以外のお店でも1.0%の高還元率となっています。公共料金もビックカメラSuicaカードで支払えば、ビックポイントとJREポイントの2種類が貯まります。

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貯まったJREポイントはSuicaにチャージできるので、使い道に困ることもありません。SuicaはJR東日本だけでなく、東京メトロ・首都圏の私鉄・バスなどにも対応していますので、移動の際にお得で便利です。
三井住友カード
年会費無料ではありませんが、使い方によっては大きなメリットがあるのが三井住友カードです。
三井住友カード(旧クラシックカード)
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
- 新規ご入会&Vpassアプリログインで利用金額の20%キャッシュバック【最大12000円】
- With Cashless キャンペーン第2弾(2020/10/1~2020/12/31)
- 【セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、マクドナルドでのご利用】ポイント5倍
- インターネット入会で初年度年会費無料
2020年3月にリニューアルをした三井住友カードは、年会費の安いカードの中で特におすすめの1枚です。
初年度は年会費無料で、2年目以降は1,375円(税込)、リボ払いである「マイ・ペイすリボ」の利用・登録で、年会費が無料になります。
通常の還元率は0.5%ですが、以下の店で支払いをすることで獲得ポイントが5倍になります。
- セブンイレブン
- ローソン
- ファミリーマート
- マクドナルド
大手のコンビニやマクドナルドを普段から利用する人ならば、ポイントが非常に貯まりやすい高還元のカードになります。

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池田星太さん
三井住友カードのプロパーカードであるため、ゴールドカードやプラチナカードへのランクアップも可能です。ゆくゆくはハイステータスカードを手に入れたいと考えている人にもおすすめです。
3.ポイント&キャッシュバックでおすすめのカード
ここでは楽天ポイント、dポイントが貯まるカード、オートキャッシュバック機能があるカードを紹介します。
楽天カード
楽天ポイントが貯まるカードといえば楽天カードです。「楽天カードマン」のCMを見たことのある人も多いでしょう。
楽天カード
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
特徴
- 還元率がどこでも1%! さらに最大で16%
- 新規入会&利用で5000円相当のポイントを獲得
- 入会と「楽天e-NAVI」への登録で、2000ポイントプレゼント
- カード申込翌月末までにカードショッピング1回以上の利用で、3000ポイント(期間限定ポイント)プレゼント
- 楽天グループのサービスでの利用で2倍〜最大16倍※SPU(スーパーポイントアッププログラム)により、さまざまな条件あり
- 家族カード年会費:無料
楽天カードは年会費無料&高還元率カードで、通常の還元率は1.0%、楽天市場ではいつでも3%還元となります。
「楽天でんき」を契約すれば、電気代で楽天ポイントが貯まるだけではなく楽天市場での買い物時に獲得ポイントが+0.5%されます。

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楽天ポイントは楽天関連サービスだけでなく身近な実店舗でも利用可能です。スマホ決済アプリの「楽天ペイ」を使えば、コンビニやドラッグストア、ファストフード店など、さまざまな店舗で楽天ポイントが活用できます。
dカードGOLD
ドコモの携帯を使っている方であれば、dポイントが貯まるdカードの上のランクに該当するdカードGOLDがおすすめです。
dカード GOLD
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
【ご入会&各種設定&エントリー&ご利用で合計最大16,000dポイント(※期間・用途限定)】
- 毎月のドコモご利用料金をdカード払いにすると1,000ポイント進呈
- 入会後のショッピング利用で25%ポイント(最大13,000ポイント)
- 「こえたらリボ」「キャッシングリボ」の設定で2,000ポイント進呈
- 毎月のドコモのケータイ/「ドコモ光」ご利用料金1,000円(税抜)ごとに10%還元(ご利用料金1000円(税抜)につき100ポイント)
- 家族カード1枚目は無料、2枚目以降1000円/枚
年会費が10,000円(税抜)かかりますが、ドコモの携帯料金やドコモ光の利用金額の10%がポイント還元されます。
例えば毎月の支払いが10,000円の場合、毎月1,000ポイント獲得でき、1年間では12,000ポイントとなり、年会費をペイできる計算です。(ポイント還元の対象は基本使用料、通信・通話料、オプション料金です。携帯の端末代金、事務手数料などは対象外です。)
dカードの利用で貯まるdポイントを利用できる代表的なお店は以下のとおりです。
【dポイントが使えるお店の例】
- コンビニ:セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート
- ドラッグストア:ウエルシア、ツルハドラッグ、サンドラッグなど
- ファストフード:マクドナルド、吉野家、天丼てんやなど

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dポイントは、楽天ポイントなどと同じく街中で利用できるお店が増えています。
なお、dポイントを街中のお店で利用する方法は、dポイントカード・d払いの2種類があります。どちらかだけに対応しているお店も多いため、事前に確認しておきましょう。
VIASOカード
最後に紹介するVIASOカードは三菱UFJニコスが発行するクレジットカードの1つで、年会費は無料です。
VIASOカード
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
- 7/1以降の新規入会者対象!「会員専用WEBサービス」のIDを登録し15万円以上のご利用で8000円、登録型リボ「楽Pay」に登録で2000円キャッシュバック
- 特定加盟店での利用で2倍
VIASOカードはポイントのオートキャッシュバックシステムを採用しているのが最大の特徴です。
通常のポイント還元率は0.5%ですが、自動的にキャッシュバックしてくれるため、ポイントが無駄にならないというメリットがあります。

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キャッシュバックのための手続きも必要なく、口座に直接キャッシュバックしてもらえます。ただしキャッシュバックされるのは、1,000ポイント以上貯まったときのみという点に注意が必要です。
公共料金をクレジットカード払いにする方法
支払い方法を変更するのは面倒…と感じる人もいるかもしれません。しかし実際の手続き内容はとても簡単で、インターネットなら都合のいい時間にいつでも手続きができます。
支払い切り替えの手続き方法
支払い方法の変更手続きはおもに郵送とインターネットの2通りです。各会社によって異なるため、公式ホームページで確認しましょう。
郵送だと書類の取り寄せや、記入・返送で手間がかかります。
インターネットなら好きなときにすぐ申し込めて、手間もほとんどかからないため便利です。

東京電力の場合
たとえば東京電力の場合、郵送とインターネットのどちらかで手続きが可能です。
郵送の場合は、インターネット・専用ダイヤル・でんき家計簿のいずれかで申込み用紙を取り寄せます。
インターネット手続きは、公式ホームページにある申込みフォームにメールアドレスと電話番号、契約情報として住所や名義人などを入力・送信するだけです。
毎月郵便ポストに届く「電気ご使用量のお知らせ」を見ながら記入すれば、簡単に手続きが可能です。
手続き後の注意
公共料金をクレカ払いにした後に注意すべき点は、カード番号が変わったときに登録カード情報の変更が必要な点です。
カードを紛失または盗難に遭い再発行した場合も、セキュリティ確保のため以前とは異なるカード番号となります。
古いカード番号は利用できなくなるため、カード番号が変わったら速やかに変更の手続きをしましょう。
また、カードの更新時も有効期限とセキュリティコードが変わるため、更新の手続きが必要です。この場合もカードの更新手続きをしないと、決済ができなくなる可能性があります。
場合によっては自動的に新しい情報が反映されることもありますが、原則としてはカードの利用者本人が登録カードの情報の変更手続きをする必要があります。
まとめ
この記事のまとめ
- 公共料金のクレカ払いはメリットがいっぱい
- 支払い忘れを防ぐことができ、何もしなくもコツコツポイントが貯まっていきます
- 公共料金のクレカの選び方
- は還元率・年会費・ポイントの使い道で選びましょう
クレジットカード・キャッシュレス専門家池田星太
監修者プロフィール
一般カードからゴールドカード、ブラックカードまで幅広く利用し、取材などを通じて、利用者に役立つ情報をメディア・雑誌で発信中。