目次
クレジットカード初心者によくある4つの失敗例
初めてクレジットカードを作った人は使いこなせないことがあり、失敗も多くなりがちです。そこで、使い方の説明に入る前に、初心者が特につまずきがちな失敗例をピックアップしてご紹介します。よくある失敗例と、その失敗によるリスクを知っておくことで、トラブルを未然に防ぎましょう。
1.カード裏面にサインをしない
まず、裏面にサインを書くのが面倒、恥ずかしいなどという理由で署名のないままカードを使っている方がいるかもしれませんが、盗んだ人が自分の名前を書けば、簡単に不正利用できてしまうという危険性があります。
また、クレジットカードには紛失・盗難保険が付いており、通常は不正利用による被害額をカード会社が全額負担してくれます。しかし、サインのない状態で不正利用されると、被害者本人が不正利用されやすい使い方をしていたとされ、補償の対象外になることがあるので注意しましょう。

編集部
【あわせて読みたい記事】
クレジットカードのサインの書き方と記入時の注意点について詳しく知りたい方はこちら
2.よくわからずリボ払いや分割払いにする
リボ払いは、大きな買い物をしたときでも毎月一定額、かつ少額から支払いできる便利な方法です(残高により毎月の支払額が変動するタイプもあり)。しかし、どれだけ使っても毎月の支払額が変わらないため、金銭感覚がまひしやすくなります。支払額を気にしなくてよい分、利用残高も気にしなくなる傾向があります。
毎月手数料がかかることも忘れてはいけません。毎月の支払額を抑えるほど家計への負担は軽くなりますが、支払いが長期化することで手数料がかさみ、結果的に支払総額が増えてしまいます。
このように、大きな失敗・損失につながりやすいというデメリットがあるリボ払い。よく理解しないまま、安易にリボ払いを利用するのは避けましょう。
また、分割払いの中でも2回払いは手数料不要ですが、3回以上の分割払いはリボ払いと同様に手数料がかかります。支払い回数が増えるほど手数料率が高くなるクレジットカードも多いため、むやみに支払い回数を多くしない方が賢明です。
支払い方法 | 手数料 |
---|---|
一括払い | なし |
2回払い | なし |
ボーナス一括払い | なし |
分割払い(3回~) | あり |
リボ払い | あり |

編集部
【あわせて読みたい記事】
クレジットカードの支払い方法の種類について詳しく知りたい方はこちら
3.利用明細をチェックしない
毎月の利用明細はこまめにチェックしましょう。確認していないと、たとえ不正利用されても気づくことができない可能性があります。そのまま放置しておけば、被害が拡大してしまうでしょう。
さらに、紛失・盗難保険には、被害発生から一定期間以内にカード会社に連絡しなければ適用されないという決まりがあります。その期間を過ぎると、被害額が全額自己負担になる可能性もあるのです。
4.支払いを忘れる・支払いできなくなる
クレジットカードを利用するうえでもっとも大切なのは、滞りなく支払いをすることです。遅延が何度もあれば信用を失いますし、支払いの意思がない・誠意がないと判断されれば、強制解約や一括支払いを命じられることもあります。また、延滞(3ヶ月以上の遅延)や自己破産などによりブラックリスト入り(信用情報機関に事故情報が載ること)すれば、一定期間新しいクレジットカードが作れなくなり、住宅ローンやカードローンなどの借り入れもいっさいできなくなってしまいます。
万が一、支払いが遅れる、支払いができない状態になったら、すぐにカード会社に連絡しましょう。解決策や代替案を提示してもらえます。
このように、ついやってしまいがちな失敗も、大きなトラブルにつながる可能性があるのです。失敗しないためにまずできることは、使い始める前の準備です。何をすればよいか、次の章でお伝えします。
【決済前の準備】クレジットカードが届いたらやること4つ!
早く決済の流れを知りたい方も多いと思いますが、事前準備でつまずくと支払いができない可能性もあるので、注意して見ておきましょう。カードが届いたら、使い始める前にしておくべきことは4つです。

- 名義に誤りがないか確認する
- 裏面にサインをする
- 限度額と支払日を確認する
- Web明細に登録する
カードに記入するサインは、漢字やローマ字、ひらがなやカタカナもOKです。ただし、会計時にサインを求められた際は、カードに記入したサインと同じものにする必要があります。カードのサインと会計時のサインが違うと、筆跡の比較ができなくなってしまうためです。海外で利用する際も同様で、カードのサインが漢字なら会計時のサインも漢字で記入する、ということを忘れないようにしましょう。
クレジットカードは際限なく使えるわけではなく、審査によって利用限度額が設定されます。利用限度額を確認しておかないと、いつの間にか上限に達してしまい、いざ使おうとした際にカードで決済できないという状況になってしまうことも。また、支払日を知らないと、遅延損害金が発生したり、カード会社から督促がきたりすることになります。
限度額と支払日は、カードが送られてきたときの台紙に記載されています。もし、すでに捨ててしまった、記載されていなかったという場合は、電話で問い合わせるか、Web会員サービスに登録・ログインして確認しましょう。
Web明細とは、利用明細がWebで確認できるサービスです。Web明細であれば、個人情報が載っている書類を破棄する必要がありません。ログインすれば、スマホやPCからいつでもどこでも明細をチェックできますし、過去の明細もすぐに確認できます(さかのぼれる期間はカード会社ごとに異なります)。家計管理や自制のためにも、利用明細は確認しやすい状態にしておくことが大切です。
紙の明細の発行は今でも可能ですが、有料化しているカード会社が増えてきています。紙で保管しておきたいのであれば、Web明細をプリントアウトする方法がおすすめです。
【決済の流れ】クレジットカードの使い方
では、実際にクレジットカードを使う際の手順について予習しておきましょう。利用機会の多い、店舗のレジ、インターネット、海外での使い方を説明します。
レジ
もっとも使う機会が多いのが、店舗での会計時でしょう。有人レジとセルフレジがありますが、基本的な流れはほとんど同じです。
有人レジ | セルフレジ |
---|---|
|
|
暗証番号を忘れてしまった場合は、サインに変更してもらうことも可能です。最近では、暗証番号入力やサインが不要のお店も増えています。コンビニは現在、ほぼ全ての店舗でサインレス決済が導入されています。
インターネット
まずはサイトがSSL/TLS化しているかチェックしましょう。SSL/TLS化とは、サイト上の通信を暗号化することで、個人情報やクレジットカード情報、ID・パスワードなどの重要データが盗み見られることを防ぐ仕組みです。SSL/TLS化している場合、URLの先頭は「https://」となります。
また、アドレスバーの左側に「鍵マーク」アイコンが表示されていれば、SSLサーバ証明書が設定され、安全性の高いサイトであると証明されているという目印になります。
ネットショッピングでのクレジットカード使用の流れは以下のとおりです。
- 買い物をする
- 保有しているクレジットカードをショップで取り扱っているかチェック
- 決済方法の選択でクレジットカードを指定する
- クレジットカード情報を正しく入力する
- 支払い方法を選択する ※選択できない場合あり
- セキュリティコードを入力する ※入力不要の場合あり
- 決済実行
海外
海外では、観光客はスリのターゲットにされやすいので、十分に注意しなければなりません。極力クレジットカード払いにし、現地で現金が必要になったらATMで必要な分だけキャッシングするのがおすすめです。
海外でクレジットカードを使う機会は、おもに店舗での支払時やATMでキャッシングをするときです。それぞれの手順は以下のとおりです。
店舗 | ATM(キャッシング) |
---|---|
|
|
海外におけるクレジットカード払いでは支払い方法を選べず、一括払いかリボ払いのどちらかになります。クレジットカードの申し込み時に、海外利用時の支払い方法がどちらかに設定されています。覚えていない場合は、前もってカード会社に確認しておきましょう。
使い方にまつわるQ&A
最後に、クレジットカードの使い方において、よくある疑問をまとめました。
Q.お店でカードを作ったけど、他のお店でも使える?
A.お店のカウンターで作れるクレジットカードは発行したお店でしか使えないと思われがちですが、他のお店でも使用できるので安心してください。
どのお店で使えるかは、クレジットカードのブランドによります。VISAのロゴがあるクレジットカードは、VISAの加盟店ならどこでも利用できるということになります。カード表面右下にある「VISA」「JCB」などの表示でブランドを確認できるので、チェックしてみましょう。
Q.間違ってキャッシングを使ったり、リボ払いになったりしない?
A.クレジットカード機能付きキャッシュカードの場合、間違えてキャッシングをしてしまう可能性があります。口座から残高を引き出すときは「お引き出し」を、キャッシングするときは「お借り入れ」を選択します。もしキャッシングする予定がない場合はキャッシング枠を0円にできるので、カード会社に連絡しましょう。
また、知らないうちにリボ払いになっているということもありえます。契約書の「初期設定はリボ払い」という説明を読み飛ばしていた、応募条件が「リボ払いへの変更」という説明を読まず、キャンペーンに応募してしまったなどのケースが多いようです。説明はしっかり読み、定期的に支払い方法の設定を確認するとよいでしょう。
Q.暗証番号を忘れたらどうすればいい?
A.暗証番号を忘れても、手当たり次第に思いつく数字を入力することはやめましょう。複数回連続で間違えてしまうとロックがかかるようになっていて、一度ロックがかかると、カード会社に連絡しなければ解除できないので注意が必要です。
ロックがかかる前にWeb会員ページにログインするか、カード会社に連絡して暗証番号の照会手続きをしてください。
【決済後の疑問解消】クレジットカードの支払いについて
最後に支払いについて解説します。支払いの流れを理解し、疑問をよく解消しておきましょう。
決済後~引き落としまでの流れ
クレジットカードは決済したらそれで終わり、ではありません。もっとも重要なのはその後の支払いです。決済後から支払いまでの流れと、やるべきことをまとめました。
- レジで受け取った利用控えは保管しておく
- 明細と利用控えの金額が合っているか確認する
※ズレがあればカード会社に連絡しましょう。 - 支払日前日までに引き落とし口座に請求額分の残高を用意しておく
利用控えと明細の金額にズレがないことが確認できれば、利用控えは破棄しても大丈夫です。ただし、利用控えには一部個人情報が記載されているため、捨てる際はシュレッダーにかけるか手で破くようにしてください。
ほとんどのカード会社では支払日忘れによる残高不足を防止するため、支払日のリマインド通知を実施しています。リマインド通知はWeb会員サイトから設定可能なので、利用することをおすすめします。
支払いにまつわるQ&A
クレジットカードの支払いについては、多くの疑問が出やすい分野です。よくある質問をいくつかピックアップしてみました。
Q.後から支払い回数を変えられる?
A.分割払いを選んだ場合は、分割回数の増減や一括払いへの変更はできませんが、一括払いの場合は、後から分割払いやリボ払いに変更できる場合が多いです。ただし、カード会社によって対応が異なるので、カード会社のホームページや電話で詳細を確認してください。
また、支払い開始前であれば支払い回数の変更が可能な場合もあります。変更が可能か、買い物をした店舗で確認してみましょう。
Q.分割払いとリボ払いの違いは?
A.分割払いは、買い物ごとに支払い回数を決める方法です。指定した回数で分割した金額を毎月支払います。
リボ払いは、あらかじめ毎月の支払額を決めておく方法で、いくら使っても毎月の支払額は変わりません。カードを使えば使うほど支払い回数が増えていくことになります。
リボ払いと分割払いの手数料率は別々に設定されています。一般的には、分割払いで少ない分割回数を選択した場合、リボ払いより手数料率が低い傾向があるようです。
Q.クレジットカード決済はキャンセルできる?
A.クレジットカード決済自体のキャンセルは可能ですが、それ以外の対応はお店によって異なります。というのも、お店ごとに返品の対応が異なるからです。商品に欠陥があればお店は返品に応じなければなりませんが、自己都合での返品の場合は受けつけていないお店もあるでしょう。また、返品を受けつけていても、未開封でないと返品できないなど、さまざまな条件が設けられていることが多いです。返品可能か、必ずお店に確認しましょう。
店舗に足を運べるなら、返品したい商品とクレジットカード、レシート、利用控えを持参して、キャンセル処理をお願いしましょう。遠方の場合は、電話で確認することもできます。
インターネットで買い物をした場合は、問い合わせフォームや電話などで、返品の意思があることを伝えましょう。
Q.支払日当日の入金でも間に合う?
A.口座に当日入金し、運よく引き落としに間に合う場合もなくはありません。しかし、支払日当日の入金は危険だといえます。それは、引き落としの時間はカード会社や金融機関によって異なり、間に合わない可能性もあるからです。また、支払日に1回だけ引き落としをかける金融機関もあれば、数回引き落としをかける金融機関もあります。1回だけの引き落としの場合、その時間に間に合わなければ支払い遅延とされてしまう場合があるので、前日までの入金を心がけましょう。
まとめ
クレジットカードを使うにあたり、不安や疑問は解消できましたか? クレジットカードの使い方は、それほど難しくありません。初めはてこずることもあるかもしれませんが、使っているうちにすぐに慣れるので安心してください。この記事を参考に、初めてカードを使うための準備を整えてくださいね。