プライオリティ・パスについて
空港ラウンジを積極的に活用したいなら、まずはプライオリティ・パスについて正しく知っておきましょう。
プライオリティ・パスの会員種別
プライオリティ・パスには以下のとおり、3つのランクがあります。プラチナカードの特典として入会するときは、最上位の「PRESTIGE」が無料になることが多いです。
会員種別 | 年会費 | 会員本人の料金 | 同伴者の料金 |
---|---|---|---|
STANDARD(スタンダード) | 99USドル | ラウンジ利用の都度、32USドルの支払いが必要 | 1名につき32USドル |
STANDARD PLUS(スタンダード プラス) | 299USドル | 年間10回まで無料、それ以降は1回につき32USドル | 1名につき32USドル |
PRESTIGE(プレステージ) | 429USドル | 無制限で利用可 | 1名につき32USドル |
プライオリティ・パスは単独で入会することもできますが、頻繁に空港を利用する人でなければやや割高なサービスと言えなくもありません。
一般的に、プラチナカード以上のクレジットカードの会員になると、プライオリティ・パスに無料で入会できます。そのため、プライオリティ・パスに直接入会するよりも、その費用をプラチナカードの年会費にあてるほうがお得です。
クレジットカードの特典でプライオリティ・パスに入会するときの注意点
プライオリティ・パスにクレジットカードの特典で入会するときは、以下の点に注意してください。
- プライオリティ・パスの入会は別途、手続が必要
- 同伴者の料金はどのカード経由で入会するかによって異なる
- 有効期限はどのカード経由で入会するかによって異なり、自動更新されないこともある
- プライオリティ・パスがあれば全ての空港ラウンジを利用できるわけではない
プライオリティ・パスがあると世界中、どこへ行っても自由にラウンジを利用できるような紹介がされていることが多いですが、制限もあるので、あらかじめ調べておくのがおすすめです。
特に家族などの同伴者がいる場合、同伴者の料金はどのカードを経由して入会するかで異なるので注意してください。
アプリを活用しよう
プライオリティ・パスにはデジタル会員証として使えるアプリが用意されています。
アプリは会員証として使えるだけでなく、空港ラウンジを検索する機能やお気に入りのラウンジを保存する機能、対象となる店舗でのショッピングの割引を受けられる機能などがついています。
なお、クレジットカード経由で入会した場合、カードによってはデジタル会員証としての機能が利用できないことがあります。そのため、会員証として利用可能かどうか確認しておいたほうが良いでしょう。
プライオリティ・パス無料のおすすめカード5枚を年会費で比較
プライオリティ・パスが無料になる特典がついてくるのは通常、プラチナカード以上のランクのカードです。ただし、プラチナカードの年会費は2万円程度から10万円を超えるものまで幅広いので、プライオリティ・パスが目当ての場合、あまり年会費が高いカードは候補にしづらいでしょう。

そこで、以下では年会費が安く、お得にプライオリティ・パスを入手できるクレジットカードを5つ、紹介します。
カードの名称 | 年会費 | プライオリティ・パスの会員クラス | インビテーション |
---|---|---|---|
楽天プレミアムカード | 1万円 | PRESTIGE(プレステージ) | 不要 |
アメリカン・エキスプレス・カード | 1万2000円 | STANDARD(スタンダード) | 不要 |
JCBゴールド ザ・プレミア | 1万5000円 | PRESTIGE(プレステージ) | 必要 |
MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード | 2万円 | PRESTIGE(プレステージ) | 不要 |
ミライノカードPLATINUM | 2万5000円 | PRESTIGE(プレステージ) | 不要 |
楽天プレミアムカード
楽天プレミアムカード
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
- 楽天グループのサービスでの利用で2倍〜最大16倍※SPU(スーパーポイントアッププログラム)により、さまざまな条件あり
- 家族カード年会費:500円 / 1枚につき
一見するとゴールドカードに見えますが、楽天カードの中では上位から2番目に位置付けられるプラチナカードです(ゴールドカードの色はピンクゴールドです)。
画像はJCBブランドですが、楽天プレミアムカードはVISAブランドも選択できます。海外にも強い国際ブランドのカードが欲しい人は、VISAブランドを選んでください。
年会費がわずか1万円であるにもかかわらず、プライオリティ・パスのランクはもっとも上位のプレステージです。プラチナカードに通常、付帯されるコンシェルジュサービスはありませんが、トラベルデスクに依頼すればレストランやオプショナルツアーの手配などはしてもらうことができます。もちろんカードラウンジも利用できます。
プライオリティ・パスに直接入会するなら楽天プレミアムカードを作ったほうが年会費も安くて済むので、クレジットカードに他の付帯サービスをあまり期待しない方なら楽天プレミアムカードで十分でしょう。
楽天スーパーポイントはANAマイルへの交換が可能
なお、貯まった楽天スーパーポイントはANAのマイルに交換できます。楽天スーパーポイントは2ポイント=1マイルで交換可能、50ポイント以上貯まっていれば2ポイント単位で交換できます。
ANAマイルへの移行料は無料なうえ、交換を申し込んでから2〜3日でANAマイルへの登録が完了するのもうれしい点です。ANAマイルを貯めている楽天ユーザーなら検討に値する1枚といえるでしょう。
アメリカン・エキスプレス・カード
アメリカン・エキスプレス・カード
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
アメリカン・エキスプレス・カードは「グリーンカード」と呼ばれることもある、もっとも年会費の安いカードです。
年会費が安いといっても有料なので、決してサービスで劣るカードではありません。「H.I.S. アメリカン・エキスプレス・トラベル・デスク」に電話すれば旅行の手配をしてもらうことができますし、海外旅行のときは会員1名につきスーツケース1個まで無料で配送してもらえるなど、さまざまな付帯サービスがあります。
プライオリティ・パスの会員ランクはスタンダードでもっとも低いため、空港ラウンジを利用するたびに毎回32USドルがかかります(本人、同伴者とも同額)。
なお、グリーンカードではなく1つ上のゴールドカードに入会する場合、プライオリティ・パスの会員ランクは同じですが家族会員も無料で加入でき、年間2回まで無料になります。
貯まったポイントは提携航空会社15社のマイルと交換可能
アメックスで貯まったポイントはマイルに交換可能です。
特に良いところは、数多くの提携航空会社のマイルと交換可能な点。他社カードは、交換先の航空会社は特定の会社に限定されているケースが多いですが、アメックスなら交換先が15社もあります。
年間参加費3000円のメンバーシップ・リワードプラスに登録すれば、1250ポイント=1000マイルのレートで交換できます。
JCBゴールド ザ・プレミア
JCBゴールドカードの会員で、一定の条件を満たした人にインビテーションが届くのが「JCBゴールド ザ・プレミア」です。
インビテーションが届く基準は、ショッピングでの利用金額が2年連続で100万円(税込)以上であることです。2年連続なのでやや条件は厳しいですが、すでにゴールドカードを持っているなら狙ってみても良いでしょう。
年会費はゴールドカードの1万円とザ・プレミアの5000円を合わせて1万5000円ですが、年間100万円以上のショッピング利用があれば、入会後も5000円については無料となります。
JCBゴールド
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
- JCBスターメンバーズにより、利用金額に応じて最大60%アップ
- オンライン入会のみ初年度無料。※切りかえは初年度年会費無料の対象とならない
MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード
MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
- 登録型リボ「楽Pay」による年会費優遇あり
MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カードは、本人だけでなく家族会員もプライオリティ・パスに無料で入会することができます。
家族会員の年会費は1人まで無料で、2人目以降は1人3000円です。そのため、家族全員でプライオリティ・パスがほしいなら格安です。家族で年に何度も海外へ行く機会があるなら検討する価値があるでしょう。
ミライノカードPLATINUM
ミライノカードPLATINUMは住信SBIネット銀行が発行するQUICPay一体型のクレジットカードです。インビテーションは必要ありませんが、申し込みに年収700万円以上という条件があります。
自動付帯する旅行保険は死亡・後遺障害保険金が1億円であるほか、傷害治療費用保険金1000万円、疾病治療費用保険金700万円とクレジットカードの中では最も高い水準となっています。また、旅行に同行する家族についても同程度の補償がつくというのが特徴です。
空港ラウンジとは? その種類と使い方
空港で出発の飛行機を待つ間、無料で誰でも利用できる場所ではなく、限られた人しか入れない「空港ラウンジ」を利用することができれば、出発まで落ち着いて時間を過ごせます。
空港ラウンジでは、一般的には以下のような設備やサービスを利用することができます。
- 静かでゆったりした待機スペース
- フリードリンク
- 軽食・食事
- 電源
- 新聞・雑誌・テレビ
- シャワー
- 無料Wi-Fi
ひと口に空港ラウンジと言っても、その設備やサービスの水準にはかなり差があります。飲食についてはフリードリンクしか提供していないところもあれば、アルコールの提供を含め、豪華な食事ができるところもあります。また、シャワーを無料で使えるところは重宝されます。
空港ラウンジを利用する方法は、主に以下の4つがあります。
- 航空会社の上級会員になる
- プライオリティ・パスに入会する
- ゴールドカード以上のランクのクレジットカードを持つ
- お金を支払う
航空会社の上級会員になるのは難易度が高いです。そのため、飛行機をかなり頻繁に利用する方以外はそれ以外の方法を考えるのが現実的です。
空港ラウンジの種類
空港ラウンジは「航空会社ラウンジ」と「カードラウンジ」の2種類として説明されることが一般的です。航空会社ラウンジとカードラウンジでは設備・サービスの水準や利用条件に大きな差があるので、これらの違いを知っておきましょう。

カードラウンジ
カードラウンジとは、対象となるクレジットカードを提示することで利用できるラウンジです。運営しているのは空港会社や航空関連のサービスを提供している会社です。
カードラウンジは保安検査場よりも手前に設置されていることが多く、航空会社のラウンジと比べて不便な位置にあります。また、ゴールドカードの保有者は多いので、利用するタイミングによっては混雑していることもあります。
カードラウンジは、ゴールドカード以上のカードと航空券を持っていれば無料で利用できます。同伴者の料金についてはカードによって異なり、同伴者1名まで無料のカードもあれば、全員が有料というカードもあります。料金がかかる場合は大人1名につき1000円程度というのが一般的です。
以下で代表的な国内空港のカードラウンジを掲載しておきますので参考にしてください。その他の国内空港にはたいてい1ヵ所、カードラウンジが設けられています。
成田空港 ※第3ターミナルと出国後のエリアにはありません |
第1ターミナル・出国前 |
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第2ターミナル・出国前 |
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羽田空港 | 国内線第1ターミナル |
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国内線第2ターミナル |
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国際線 |
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関西空港 | 出国後 |
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一般エリア |
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航空会社ラウンジ
航空会社ラウンジは、文字通り航空会社が運営するラウンジです。基本的に航空会社の上級会員やビジネスクラス以上の利用者のために用意されたラウンジで、カードラウンジよりも施設や提供されるサービスの内容で優れています。
航空会社ラウンジは保安検査場を通過したあとの制限エリア内に設けられているので、搭乗手続きを済ませてから出発までのんびりするのに向いています。また、他のラウンジより混雑しにくいというメリットもあります。
JALとANAには、それぞれ以下の3種類のラウンジがあります。
JAL |
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---|---|
ANA |
|
上級会員になるためには基本的に、その会社の便をたくさん利用することが必要です。そのため、上級会員になることを狙うのであればいずれか1社に絞り、JALカードかANAカードを作って利用するなどの工夫をすることが近道になります。
プライオリティ・パスが使える代表的なラウンジ
プライオリティ・パスがあると、世界143ヵ国・1300ヵ所以上の空港ラウンジを利用することができます。
使えるラウンジについては公式サイトに掲載されていますが、そのうち代表的なものを以下で紹介します。なお、国内の空港では使えないラウンジが多い点に注意してください。
ただし、クレジットカードの特典という形でプライオリティ・パスに入会するのであれば、そのカードの会員である時点でカードラウンジが使えるはずなので、あまり問題にならないでしょう。
日本国内の空港ラウンジ
国内の空港でプライオリティ・パスが使えるラウンジは以下の全11ヵ所です。意外かもしれませんが、羽田空港には1つもありません。なお、関西国際空港の「ぼてぢゅう」はラウンジではなくお好み焼き屋で、3400円分まで無料で食べることができます。
空港名 | ラウンジ |
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成田空港 |
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関西国際空港 |
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中部国際空港 |
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福岡空港 |
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海外の空港ラウンジ
プライオリティ・パスが使える海外の空港ラウンジの一例を示すと以下のとおりです。空港によって利用できるラウンジの数にバラツキがある点に注意してください。また、24時間営業のところもありますが、そうでないところもたくさんあるので、利用を予定しているときはあらかじめチェックしておきましょう。
空港名 | ラウンジ |
---|---|
バンクーバー国際空港 |
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ダニエル・K・イノウエ国際空港(旧ホノルル国際空港) |
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ロンドン・ヒースロー空港 |
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ソウル・仁川国際空港 |
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上海浦東国際空港 |
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ドバイ・アール・マクトゥーム国際空港 |
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シドニー・キングスフォード・スミス国際空港 |
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カイロ国際空港 |
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まとめ
- プライオリティ・パスは直接入会するより、クレジットカードの会員特典として入会するほうがコストパフォーマンスが良い。同伴者がいる場合は有料になることが多いので条件をよく確認しておくことが大事
- 空港ラウンジは主に航空会社ラウンジとカードラウンジの2種類。航空会社ラウンジのほうがより上質なサービスが期待できるが、利用資格を得るには一定の基準を満たすことが必要
- カードラウンジは、ゴールドカード以上のクレジットカードがあれば利用できる