目次
マイレージサービス(プログラム)とは?
マイルを貯めて航空券と交換したいのであれば、まずどのマイレージサービスを利用するかを決めることが必要です。そこで、マイレージサービスの基本から解説します。
マイレージサービスの選び方
世界にある航空会社はLCCを除き、以下の3つのグループ(「アライアンス」と言います)に所属しています。これらは「世界3大アライアンス」と呼ばれます。
- ワンワールド(JALが所属)
- スターアライアンス(ANAが所属)
- スカイチーム

航空会社の中にはJALやANAのように、マイレージサービスを用意しているところがあります。同一のアライアンスに所属する他の航空会社を利用した場合でもマイルが付与され、貯まったマイルで航空券と交換することができます。
日本人であれば、JALのマイレージサービスである「JALマイレージバンク(JMB)」か、ANAの「ANAマイレージクラブ(AMC)」に加入している人が多いでしょう。
これらは後述する「ショッピングマイル」が貯めやすいというメリットもあるので、特に理由がない限りはこのどちらかから選ぶのが基本です。
マイレージサービスに入会するためには各社公式サイトで手続きをすれば良いので簡単ですが、JALカードやANAカードを作ればその手続きの中で入会することになります。
JALマイルとANAマイルの違いや提携航空会社について
JAL・ANAのマイレージサービスの主な違いを表にまとめると以下のとおりです。
航空会社名 | JAL | ANA |
---|---|---|
マイレージサービスの名称 | JALマイレージバンク(JMB) | ANAマイレージクラブ(AMC) |
所属アライアンス | ワンワールド | スターアライアンス |
提携航空会社数(2019年10月1日現在) | 13社 | 26社 |
マイルの有効期限 | 3年 | 3年 |
航空券に交換できる最低マイル数(片道) | 5000マイル | 5000マイル |
提携している航空会社の数は大きく違い、ANAはJALの2倍あります。
ただ、単純に数だけで比較するのではなく、よく利用している航空会社があるかどうか、クレジットカードを作る場合はマイルの貯めやすさなどを考慮して選んでください。
マイルの使い道と交換レート
貯まったマイルの使い道は、両社とも数多く用意されています。以下ではそのうち代表的なものと、それぞれのおおまかな交換レートを紹介しておきますので参考にしてください。
JALマイレージバンク
JALマイルの代表的な交換先と1マイルのおおよその価値は以下のとおりです。特典航空券への交換については利用する区間や座席のグレードによって変わります。
また、正規料金はいつ買うかによっても異なる(早めに買えば安くなる)ので、購入のタイミング次第で交換レートは変わることになります。この点はANAマイルでも同じです。
交換先 | 最低マイル数 | 1マイルの価値 |
---|---|---|
特典航空券に交換 | 5000マイル | 1マイル=1.0円~4.0円程度(上位クラスを除く) |
e JALポイントに交換 | 1万マイル | 1マイル=1.5円相当 |
JALクーポンに交換 | 1万マイル | 1マイル=1.2円 |
JTBトラベルポイント | 1万マイル | 1マイル=1円相当 |
Suicaに交換 | 1万マイル | 1マイル=1円相当 |
Pontaに交換 | 3000マイル | 3000~9000マイル:1マイル=0.5円相当 1万マイル以上:1マイル=1円相当 |
スターバックスカードへのチャージ | 1万マイル | 1マイル=1.03円相当 |
ミス・パリ エステギフトカードへの交換 | 1万マイル | 1マイル=1円相当 |
ANAマイレージクラブ
ANAマイレージクラブの場合は以下のとおりです。ANA SKY コインに交換する場合は1マイルから交換できます(1万マイルの間違いではありません)。
交換先 | 最低マイル数 | 1マイルの価値 |
---|---|---|
特典航空券に交換 | 5000マイル | 1マイル=1.0円~4.0円程度(上位クラスを除く) |
ANA SKY コインに交換 | 1マイル | 1マイル=1~1.7円 |
ANAご利用券 | 1万マイル | 1マイル=1円 |
Tポイントに交換 | 1万マイル | 1マイル=1円相当 |
nanacoポイントに交換 | 1万マイル | 1マイル=1円相当 |
スターバックスカードへのチャージ | 1万マイル | 1マイル=1円相当 |
ニッポンレンタカーのクーポンに交換 | 1万マイル | 1マイル=1円相当 |
マイレージモールを活用する
JAL・ANAの両社とも「マイレージモール」を用意しています。
クレジットカード各社は自社のショッピングモールを用意していることが多いですが、それと同じ仕組みです。モールを経由するだけでもらえるマイルがアップします。
モール内によく利用する店舗がないかどうか探しておき、モールを経由して買う習慣をつけるとよりマイルをたくさん貯めることができます。
特約店の利用でマイルを貯める
JAL・ANAともに特約店があります。JALの特約店を「マイルパートナー」「JALカード特約店」、ANAの特約店を「ANAカードマイルプラス加盟店」と言います。
いずれもカードの提示やカードによる支払いで2倍のマイルが貯まるので、よく行くお店が特約店でないかどうかチェックしておきましょう。
LCCでもマイルが貯まる・使えることがある
LCCは3大アライアンスに所属していないので、基本的に飛行機の利用でマイルを使うことはできません。しかし、以下に示すようなごく一部の提携会社に限り、LCCでもJALやANAのマイルを貯めたり使ったりすることができます。
例えばジェットスターはJALと提携しているので、フライトによってJALマイルを貯めることができます。ただし、受託手荷物や座席指定の要件が緩和されるジェットスターの「ちゃっかりPlus」または「しっかりMax」というオプションを利用することが条件です。
また、ANAマイルはバニラ・エアの航空券と交換することができます。
マイルは「特典航空券」に交換して飛行機に乗るのがお得!マイルのお得な使い方と交換レート
マイレージサービスのマイルは各社の「特典航空券」に交換するのが一番おトクです。特典航空券はマイルと交換できる航空券のことを指しています。
現金に近いもの(Tポイントや楽天スーパーポイントなど)に交換する場合、1マイル=1円程度のレートになりますが、国際線の特典航空券に交換する場合は1マイルが10円以上の価値になることもあります。
そのため、クレジットカードを日常的に利用してコツコツポイントを貯めてマイルに交換し、旅行で飛行機を使うといった使い方ならかなりおトクになります。旅行に行く機会が多いならぜひ検討してみてください。
ただし、特典航空券は数が限られています。そのため特典航空券を利用したいのであれば早めの予約を心がけましょう。

編集部
マイルを上手に貯める方法
飛行機に乗るとマイルが貯まるといっても、仕事で頻繁に飛行機を利用するのでもない限り、十分なマイルを貯めるのは難しいでしょう。
しかし、日々の生活費をクレジットカードで決済することでもマイル(またはマイルに交換可能なポイント)を貯めることができます。これを上手に活用するのがマイルをたくさん貯めるポイントになります。
マイルの種類
まず、貯まるマイルは以下の3つの種類があることを知っておいてください。
- フライトマイル
- ボーナスマイル
- ショッピングマイル(ショッピングポイント)
フライトマイル
フライトマイルとは、飛行機に乗ることによって貯まるマイルです。
マイルの計算(「積算方法」という言葉が使われます)は、利用した区間の基本マイルに「積算率」をかけて行われます。積算率は座席のクラス(ファーストクラス、プレミアクラスなど)その他の要素で決まるランクで、JAL・国際線の場合は30~150%まで差があります。
ANAの場合、利用する区間によって貯まるフライトマイルの例を挙げると以下の通りです(区間基本マイル、東京発着)。
国内線 | 国際線 | ||
---|---|---|---|
札幌 | 510 | シアトル | 4775 |
秋田 | 279 | ロサンゼルス | 5458 |
仙台 | 177 | ホノルル | 2681 |
新潟 | 167 | ロンドン | 6214 |
富山 | 176 | パリ | 6194 |
名古屋 | 193 | 上海 | 1111 |
大阪 | 280 | 大連 | 1042 |
岡山 | 356 | ソウル | 758 |
徳島 | 329 | 台北 | 1330 |
福岡 | 567 | バンコク | 2869 |
長崎 | 610 | ムンバイ | 4201 |
鹿児島 | 601 | シンガポール | 3312 |
沖縄 | 984 | シドニー | 4863 |
ボーナスマイル
ボーナスマイルとは、JALカードやANAカードの入会時・更新時などにもらえるマイルや、搭乗ごとにフライトマイルに加算してもらえるマイルのことです。クレジットカードのグレードが上がると加算率が増えることもあります。
ショッピングマイル(ショッピングポイント)
ショッピングマイル(ショッピングポイント)とは、日常生活の食費や公共料金などをクレジットカードで支払うことで貯まるマイルのことです。飛行機に頻繁に乗る機会がないなら、これを上手に活用することがたくさんマイルを貯めるポイントになります。
JALカードの場合はショッピングでも直接マイルが貯まりますが、ANAカードの場合は提携会社のポイントとして貯まり、マイルと交換する手続きが必要です。
なお、ポイントをANAマイルに交換するときに「移行手数料」がかかることがあります。移行手数料が有料の場合は最大で6000円程度かかるので、カードを選ぶときは注意しましょう。
また、JALの場合は「ショッピングマイル・プレミアム」に入会することで、貯まるマイルが2倍になります。年会費は3000円で、通常の還元率「200円=1マイル」が「100円=1マイル」へとアップします。
特典航空券は、どの区間でどのくらいのマイルが必要?
マイルと交換できる特典航空券は、どの区間ならどのくらいのマイルが必要なのか気になりますよね。そこで、各社の必要マイル数(往復)を比較してみました。
区間 | JAL | ANA |
---|---|---|
東京-伊丹 | 1万2000マイル | 1万2000マイル |
東京-鹿児島 | 1万5000マイル | 1万5000マイル |
東京-新千歳 | 1万5000マイル | 1万5000マイル |
日本-ソウル | 1万5000マイル | 1万2000マイル |
日本-シンガポール | 2万4000マイル | 3万マイル |
日本-シドニー | 3万6000マイル | 3万7000マイル |
日本-ホノルル | 4万マイル | 3万5000マイル |
日本-パリ | 5万2000マイル | 4万5000マイル |
※JALマイレージバンクのマイル数は、片道区間の必要マイル数(エコノミークラス・通常マイル)を2倍にしています。
※ANAマイレージクラブの国際線マイル数は、エコノミークラス・ローシーズンのマイル数です。
国内線については両社とも横並びの数字になりましたが、国際線では違いがあります。区間によって、どちらが安いかというのは変わります。
JALマイルが貯まるおすすめのクレジットカード3選
JALマイルが貯まりやすいカードは、やはりJALカードです。以下ではJALカードを含めて3枚のカードを紹介します。
JALカード 普通カード
JALカード(普通カード)
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
- ショッピングマイル・プレミアム(年会費3000円)の入会で1.0%
- 入会後1年間無料
JALカード 普通カードはJALカードの中でもっともベーシックなカードです。
入会後、初めての搭乗で1000マイルがもらえ、毎年の初回の搭乗でもボーナスマイルとして1000マイルがもらえます。また、搭乗ごとにフライトマイル10%がプラスされます。
また、JAL/JTAの機内販売や空港にある店舗、免税店での支払いに利用すると5~10%程度の割引が受けられます。さらにJALパックのツアーが最大5%オフになったりするなど、JALのサービスを利用するならぜひ持っておきたい1枚です。
20代の方なら追加で5400円の年会費を支払うことで「JAL CLUB EST」に切り替えることができます。ショッピングマイル・プレミアムに自動入会となって貯まるマイルは2倍になります。また、年間5回までサクララウンジを利用できるなどの特典があるので、飛行機の利用が多い方なら切り替えるのがおすすめです。
JALカード CLUB-Aゴールドカード
JALカード(CLUB-Aゴールドカード)

還元率 | 1.0% |
---|---|
年会費 | 1万6000円※1 |
発行スピード | 通常4週間※各提携カードによって異なる |
国際ブランド |
|
電子マネー |
|
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
- JALカードSuica、JAL アメリカン・エキスプレス・カードは1万9000円、JALダイナースカードは2万8000円
JALカード CLUB-Aゴールドカードは普通カードのワンランク上のカードです。
年会費は普通カードと比べてかなり高くなりますが、ショッピングマイル・プレミアムに自動入会となります。入会年は搭乗ボーナスとして5000マイルがもらえますし、フライトマイルは25%が上乗せされます。
また、空港ラウンジ(カードラウンジ)が利用でき、エコノミークラスや特典航空券を利用して搭乗するときでも、ビジネスクラスのチェックインカウンターが利用できます。
飛行機の利用が多い方なら、年会費を考慮しても普通カードと比較する余地はあるでしょう。
イオンJMBカード(JMB WAON一体型)
イオンJMBカード(JMB WAON一体型)
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
- 毎月5日・15日・25日の「お客さまわくわくデー」では、電子マネーWAONの利用200円(税込)につき2マイル(通常時の2倍)貯まる
イオンJMBカード(JMB WAON一体型)は、JALマイレージバンクとWAONの機能がついたイオンカードです。
イオンカードは通常、ショッピングやWAONによる支払いで貯まるのはときめきポイントやWAONポイントです。しかし、このカードならいずれもJALマイルが貯まります。そのため、ポイントをマイルに交換する手間が不要になります。
全国のイオン、マックスバリュなど対象店舗では毎月20・30日の「お客さま感謝デー」の買い物が5%OFFになるので、これらの店舗で日常的に買い物をする機会があるならおすすめです。
ANAマイルが貯まるおすすめのクレジットカード3選
ANAカードもJALカードと同様、ANAマイルを貯めるならANAカードがおすすめです。こちらも3枚のカードを紹介します。
ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)
ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
- 初年度無料
ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)は、ANAカードと東京メトロの「To Me CARD」が一体となったカードです。
このカードでは以下の3種類のポイントが貯まり、ANAマイルとメトロポイントは相互に交換できます。
- ANAマイル
- Oki Dokiポイント
- メトロポイント
交換レートは以下のとおりです。なおANAマイルやメトロポイントからOki Dokiポイントへの交換はできません。
ANAマイル | メトロポイント | Oki Dokiポイント | |
---|---|---|---|
ANAマイル | - | 1万マイル→1万メトロポイント | × |
メトロポイント | 100メトロポイント→90マイル | - | × |
Oki Dokiポイント | 1Oki Dokiポイント→3~10マイル | 1Oki Dokiポイント→5メトロポイント | - |
飛行機に乗ったときのフライトマイルだけでなく、東京メトロの地下鉄に乗車したときも5~15ポイントがもらえるところがANA To Me CARD PASMO JCBカードのユニークなところです。また、PASMOにオートチャージをしたときもOki DokiポイントまたはANAマイルが貯まります。
Oki DokiポイントはJCBの「Oki Dokiランド」を経由することで、最大20倍まで増やすことができます。使い方次第でマイル(ポイント)がどんどん貯まるのがANA To Me CARD PASMO JCBのメリットです。
ANAカード(ワイドゴールドカード)
ANAカード(ワイドゴールドカード)
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
- お申込み&各種条件達成で最大98,600マイル相当プレゼント
ANAカード(ワイドゴールドカード)は一般カードやワイドカードと比べて年会費が高く設定されていますが、それに見合ったメリットがあります。
ANA航空券の購入では100円につき2マイルが貯まります。また、通常のショッピングで貯まる「Vポイント」のポイントは200円につき1ポイントが貯まり、1ポイントは2マイルと交換できます。
ANAカード(ワイドゴールドカード)があればカードラウンジを利用できるので、出発前の時間をゆったりと過ごすことができます(ANAラウンジやANAスイートラウンジは利用できません)。
Orico Card THE POINT
Orico Card THE POINT(Mastercard)
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
特徴
- 入会後6ヶ月はポイント還元率2%
- ショッピングモールを経由すれば、還元率が2倍以上に
- 新規入会で1000ポイントプレゼント
- Start THE POINTキャンペーン参加で最大7000円相当のポイントプレゼント
- 入会後6ヶ月はポイント2倍
Orico Card THE POINTはショッピング100円につき1ポイントが貯まり、1ポイントは0.6マイルと交換することができます。
一般的な交換レートは1ポイント=0.5マイルなのでやや高めに設定されており、移行手数料もかからないのがメリットです。
オリコモールにあるお店(Amazonや楽天などのネットショップ)を利用するときはオリコモールを経由すると、還元率が最低0.5%以上、加算されます。上手に利用すればマイルがどんどん貯まります。

編集部
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まとめ
- マイルを貯めるなら、JALマイレージバンクかANAマイレージクラブを利用するのが一般的
- マイルは特典航空券に交換するのがもっともおトクなので、飛行機に乗る機会があるならクレジットカードの利用で貯めたポイントを特典航空券に交換すべき
- 日常生活の中で上手にクレジットカードを活用して、もらえるマイルを最大化できるよう工夫するのがおすすめ