マイルとは? 貯めるとどんなメリットがある?
マイルとは、航空会社のポイントのことです。飛行機に乗って貯めたり、クレジットカードのポイントを移行したりして貯める方法が一般的です。
マイルと似た言葉に「マイレージ」「マイレージプログラム」などがあります。これらは航空会社が行うポイントプログラム自体のことを指しており、マイレージプログラムで貯まるポイント=マイルと考えましょう。
マイルにも種類がある
マイルにもいろいろな種類があり、日本で特に有名なのはANAマイルとJALマイルです。それぞれ、ANA(全日空)とJAL(日本航空)のポイントということになります。

航空会社 | マイレージプログラム | マイル |
---|---|---|
ANA(全日空) | ANAマイレージクラブ | ANAマイル |
JAL(日本航空) | JALマイレージバンク | JALマイル |
航空会社はANAやJALだけではなく、世界中にたくさん存在しています。
例えばデルタ航空やユナイテッド航空など、海外の航空会社でもマイルは貯められます(ただし、LCCと呼ばれる格安航空にはマイレージプログラムがないところも多いです)。
なおマイルを貯めるにあたって、「アライアンス」という言葉を覚えておきましょう。航空業界におけるアライアンスとは、異なる航空会社同士が提携する組織、つまり航空連合のことです。
例えばANAは「スター・アライアンス」に加盟していて、JALは「ワンワールド」と呼ばれるアライアンスに加盟しています。

マイルは同一アライアンスの航空会社を利用するときにも貯められる仕組みとなっているので、よく利用する飛行機がどのアライアンスに属しているのかもチェックしてみるといいでしょう。
貯めたマイルの使い道
貯めたマイルの代表的な使い道は、次のとおりです。
- 飛行機のチケットと交換(特典航空券)
- 座席をアップグレード
- 商品への交換やポイント移行
- ショッピングの支払い
貯めたマイルを飛行機のチケットと交換する場合、その航空券は「特典航空券」と呼ばれています。

なお特典航空券と交換するためのマイルが不足している場合、不足分を現金やクレジットカードで支払うことはできないので注意しましょう。
コンビニのポイントだとショッピング金額からポイント分を差し引いて支払える場合もありますが、特典航空券はマイルのみの交換しかできず、またマイルをお金で購入することもできません。
特にお得なのは航空券or座席アップグレード
初心者が覚えておきたいポイントとして、1マイルの価値はマイルの使い道によって変動する点があります。使い方によってマイルで得られるお得度は変わってきます。
先ほど紹介した使い道の中では、特典航空券との交換や座席のアップグレードが、マイルの価値を高めやすい使い道です。後の項目では1マイルの価値を高める方法も紹介するので、ぜひそちらもチェックしてください。
なお、1マイルの価値が変動する詳細については、次の記事でも解説しています。
年収400万円の僕がマイルを貯めて親に海外旅行をプレゼントした話
マイルには有効期限がある
マイルには有効期限があるので、いつまでも貯め続けるのではなく、ある程度貯まったら使っていくことが大切です。ANAマイル・JALマイルともに、飛行機の搭乗日またはクレジットカードポイントからの移行日から3年間が有効期限と設定されています。
マイルを貯めて使うまでの流れ
マイルを貯めて使うまでの流れは、コンビニなどでポイントを貯めるのとは少し異なる部分もあります。こちらでは、マイルを貯めて使うまでの流れを解説します。
どのマイルを貯めるか決める
まずは、自分にどのマイルが適しているか考えましょう。初心者におすすめなのはANAマイルまたはJALマイルです。よく利用する航空会社が決まっているなら、その航空会社のマイルを選ぶといいでしょう。

「どっちを選べばいいかわからない」と迷ってしまう方は、次の記事で両者の違いを解説しているので、参考にしてください。
【初心者向け】マイルとは何か?JALとANAの違いと貯め方・使い方を解説
マイレージプログラムに入会する
どのマイルを貯めるか決めたら、早速マイレージプログラムに入会しましょう。マイレージプログラムへ入会すると「マイレージカード」が発行されます。これで、マイルを貯める準備は整いました。
マイルを貯める
マイレージプログラムに入会したら、いよいよマイルを貯めていくことになります。マイルを貯める方法は、大きく分けると次の2種類です。
- 飛行機に搭乗して貯める
- 毎日のショッピングで貯める
ANA、JALともに飛行機に搭乗すると、所定の割合でマイルが貯まる仕組みになっています。飛行機に乗って貯めるマイルは、一般的に「フライトマイル」と呼ばれています。
飛行機をよく利用する方であれば、お得な貯め方を意識しなくとも、普通にチケットを購入するだけでマイルは貯まっていきます。ただし、搭乗区間が長く座席のグレードが高いほど、多くのマイルが貯まる点は覚えておきましょう。

そして、毎日のショッピングにクレジットカードを利用してマイルを貯める方法もあります。コンビニやスーパーでの買い物、電気代やガス代の支払いなど、日常的な支払いに応じてマイルが貯まっていきます。
日常的な買い物や支払いで貯まるマイルは、フライトマイルと区別して「ショッピングマイル」と呼ばれています。
ショッピングマイルの貯め方は、クレジットカードの支払いでポイントを貯めて、マイルへ移行するか、直接マイルが貯まるクレジットカードを利用するかのどちらかです。
効率よくマイルを貯められる人は、フライトマイルとショッピングマイルを上手に組み合わせて、最短スピードでマイルを貯めているのです。
一定以上貯まったら、マイルを使う
ある程度のマイルが貯まったら、お使いのマイレージプログラムから特典航空券と交換するなどして、マイルを使いましょう。
なお、ANA・JALともにマイルを特典航空券と交換するには、最低限必要なマイル数が決まっています。
- ANAマイル:片道5000マイルから
- JALマイル:片道6000マイルから
上記以上のマイルが貯まれば、特典航空券と交換できるようになります。
どれくらいクレジットカードを使えば特典航空券と交換できる?
「マイルの貯め方・使い方はわかったけど、航空券と交換するまでにはかなり時間がかかるのでは?」と思う方がいるかもしれません。
しかし、先ほど紹介したマイルを貯めやすいクレジットカードを使えば、特典航空券と交換できる最低限のマイルは意外とすんなり貯まる可能性が高いです。
今回は、ANAカードを使ってANAのフライトマイルを貯める場合のシミュレーションをしてみましょう。
ただし、使用するANAカードの種類によってもマイルの貯まり方は変わってくるので、後ほど紹介する「ANAカード(ワイドゴールドカード)」(搭乗時には25%のボーナスマイル加算)を使った場合で計算を行います。
・東京発着の国内線ANA VALUE 1を利用した場合
(積算率75%+25%ボーナスマイル)
東京-札幌:約480マイル/1人片道
東京-沖縄:約920マイル/1人片道
・東京発着の国際線「Y、B、M」の予約クラスでエコノミークラスを利用した場合
(積算率100%+25%ボーナスマイル)
東京-ホノルル:約4790マイル/1人片道
東京-パリ:約7740マイル/1人片道
東京-上海:約1390マイル/1人片道
※1桁以下四捨五入
ANAカード(ワイドゴールドカード)では入会・継続時に2000マイルがもらえる(詳しくは後述します)ので、残り3000マイルを貯めれば特典航空券と交換できます。
つまり上記の条件であれば、東京-沖縄の国内線なら2人で往復すれば、3000以上のマイルが貯まる計算です。ANAの特典航空券は片道で最低5000マイルから交換できるので、意外とすんなり貯まることがわかります。
ANAカード(ワイドゴールドカード)
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
- お申込み&各種条件達成で最大98,600マイル相当プレゼント
マイルをもっとお得に貯める方法
マイルをより効率よく貯めるには、覚えておきたいポイントがあります。
ここからは、マイルをよりお得に貯める方法を紹介します。
航空券の購入でボーナスマイルをもらう
航空券を購入する際は、ボーナスマイルが貯まるクレジットカードを使うのがおすすめです。選ぶクレジットカードによっては、通常時と比べてマイル付与率が25%アップするなど、より多くのマイルを貯められるからです。
おすすめのクレジットカード
航空券の購入におすすめのクレジットカードは、次の2枚です。
ANAマイルを貯めたいならANAカードを、JALマイルを貯めたいならJALカードを選びましょう。
- ANAカード(ワイドゴールドカード)
- JALカード(CLUB-Aカード)
上記2枚のクレジットカードには、入会・継続やフライトなどのタイミングでボーナスマイルが付与されます。
ANAとJALでは入会時・継続時のボーナスマイル付与の条件が少し違っていて、ANAは飛行機に乗らなくてもボーナスマイルがもらえます。一方、JALは新規入会や継続の後に初めて飛行機に搭乗したときにボーナスマイルがもらえる仕組みです。
カード名 | ボーナス付与のタイミング | ボーナスマイル |
---|---|---|
ANAカード(ワイドゴールドカード) | 新規入会時 | 2000マイル |
毎年のカード継続時 | 2000マイル | |
各フライト時 | 25%加算 | |
JALカード(CLUB-Aカード) | 新規入会後、初回搭乗時 | 2000マイル |
毎年初回搭乗時 | 2000マイル | |
各フライト時 | 25%加算 |
JALカード(CLUB-Aカード)

還元率 | 0.5%※1 |
---|---|
年会費 | 1万円 |
発行スピード | 通常4週間※各提携カードによって異なる |
国際ブランド |
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電子マネー |
|
- 国内旅行保険
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- 家族カード
- ショッピングマイル・プレミアム(年会費3000円)の入会で1.0%
クレジットカードはマイルへの移行レートが重要
日々のショッピングでマイルを貯めるには、クレジットカード選びがとても重要です。その理由は、カードによってマイルへの移行レートが違っているからです。
具体例として、「JCB一般カード」と「セゾンカードインターナショナル」のマイル移行レートを紹介します。
JCB一般カード | セゾンカードインターナショナル | |
---|---|---|
ANAマイル移行レート | 1ポイント⇒3マイル (500ポイント以上) |
200ポイント⇒600マイル |
JALマイル移行レート | 1ポイント⇒3マイル (500ポイント以上) |
200ポイント⇒500マイル |
どちらのカードも1000円で1ポイントが貯まるので、利用金額に対して得られるマイル数が変わってきます。そのため、なるべくマイルへの移行レートが良いクレジットカードを選ぶことが大切です。
ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)
ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
- 初年度無料
ANAのショッピングマイルを貯めるのにおすすめのクレジットカードは、「ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)」です。
先ほど紹介したJCB一般カードやセゾンカードインターナショナルよりも、ANAマイルへの移行レートが良いので、効率よくショッピングマイルを貯められる仕組みとなっています。
また、カード入会時・継続時や搭乗時のボーナスマイルが貯まるほか、PASMO一体型であること、定期券を搭載できることもメリットです。
ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)で具体的にどれくらいのマイルが貯まるのかは、次の記事で詳しく解説しています。
ソラチカカードでANAマイルを貯める4つの方法!特徴、メリット一覧
JALカード TOKYU POINT ClubQ 普通カード
JALカード TOKYU POINT ClubQ
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
- ショッピングマイル・プレミアム自動付帯
- 普通カードの場合。初年度年会費無料。他、既存のJALカードによる
JALのショッピングマイルを貯めるのにおすすめのクレジットカードは、「JALカード TOKYU POINT ClubQ 普通カード」です。このクレジットカードでJALマイルを効率よく貯めるために覚えておきたいのは、次の2つの仕組みです。
- ショッピングマイル・プレミアム
- JALカード特約店
そして「JALカード特約店」とは、ショッピングマイルが2倍貯まる対象店舗のことです。ショッピングマイル・プレミアムに加入済みの方であれば、100円で2マイルが貯まるので、効率よくJALマイルを貯められます。
JALカード特約店の代表例は、次のとおりです。
- イオン
- 紀伊国屋書店ウェブストア
- デジタル家電専門店 ノジマ
- ENEOS
- ファミリーマート
また、このクレジットカードは東急グループの「TOKYU POINT」が貯まることも特徴です。特に東急百貨店では、年間の利用額に応じたTOKYU POINTが貯まります。JALカード TOKYU POINT ClubQ 普通カードなら、東急百貨店のショッピング時には合計で2.5%〜6.0%のJALマイルが貯まります。
そのほか、東急線の定期券購入でもJALマイルが貯まり、入会時・継続時や搭乗時のボーナスマイルも貯まるので、東急グループをよく利用する方はぜひ持っておきたい1枚です。
まとめ
- マイルとは、航空会社のポイントのこと
- 貯めたマイルで航空券と交換したり、座席をアップグレードしたりできる
- 初心者にはANAマイルまたはJALマイルがおすすめ
- マイルを効率よく貯めるには、クレジットカードを使いこなそう
マイルを航空券と交換すれば交通費を抑えられるので、旅行の回数を増やしたり、ホテルの食事をアップグレードしたり、他の部分に予算を使えるようになります。また、座席をアップグレードすればファーストクラスで快適な旅をすることも可能です。
マイルは、クレジットカードを使いこなせば効率よく貯められます。
記事内で紹介したクレジットカードはマイルを貯めやすいカードばかりなので、この機会に検討してはいかがでしょうか。