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プロパーカードとは?提携カードとの違い
クレジットカードには、プロパーカードと提携カードがあります。ここではそれぞれの違いを見てみましょう。

プロパーカード
プロパーカードとは、クレジットカードの国際ブランドが直接発行するクレジットカードのこと。おもな国際ブランドには以下の5つがあります。
- VISA
- Mastercard
- JCB
- アメリカン・エキスプレス
- ダイナースクラブ
そのうち、VISAとMastercardは自社でカードの発行をしていないので、実際にプロパーカードと呼べるのは、JCB、アメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブの3ブランドが直接発行するカードです。
プロパーカードは基本的に年会費が有料なものが多いものの、その分、付帯サービスやステータス性の高さが魅力となっています。
なお、VISAは自社で発行しているカードはありませんが、日本では三井住友カードがプロパーカードとされています。それは日本にクレジットカードが導入された当時、提携先となったのが三井住友だったからです。
VISAはクレジットカードの世界シェアの約半分を占める国際ブランド。VISAは決済機能の国際ブランド、三井住友はクレジットカード発行会社と覚えておきましょう。
提携カード
提携カードとは、国際ブランドやクレジットカード会社以外の企業が提携して発行しているクレジットカードのこと。
例えば、ANAカードや、Amazonカード、ファミマTカードなどはすべて提携カードです。提携カードの魅力はポイント還元率の高さ。特に提携している企業のサービスを利用した場合は、還元率がアップしたり割引を受けられたりするケースが多いでしょう。
年会費無料のクレジットカードが多いのも提携カードの特徴です。
プロパーカードのメリット
プロパーカードは年会費が必要になるケースが多いものの、提携カードにはないステータス性の高さなどに魅力を感じて申し込む人も少なくありません。プロパーカードのおもなメリットは次の4つです。詳しく見ていきましょう。
- ステータス性が高い
- ハイグレードカードのインビテーションが受け取れる
- 発行停止の可能性が低い
- サービスが充実している
ステータス性が高い
1つ目の魅力は、ステータス性が高いことです。一般的にプロパーカードは「年会費が高い」「審査が厳しめ」なことから誰でも持てるカードではないと考えられています。特にアメリカン・エキスプレスやダイナースクラブカードは年会費が高額で、ステータス性が高いと評価されています。ただし、プロパーカードも種類によって年会費や審査基準が異なるので、必ずしも入会が難しいとは限りません。
ハイグレードカードのインビテーションが受け取れる
2つ目は、ハイグレードカードのインビテーション(招待状)が受け取れることです。ハイグレードカードとは、一般カードよりも上のランクのカード。かつてゴールドカードもハイグレードカードといわれていましたが、クレジットカードを持つ人が増えたために珍しくなくなりました。ハイグレードカードとは一般的にプラチナカードやブラックカードを指します。
一般カードでの利用実績を積み重ね、カード会社の定める基準を満たした人に届くのがインビテーションです。通常、ハイグレードカードはこのインビテーションを受け取った人だけが申し込めるようになっています。
最近は、ハイグレードカードでもクレジットカード会社の公式サイトから申し込むことができるものも増えています。しかし、クレジットカードはその人の信用をもとにお金を貸すビジネスです。これまでその会社の利用実績のない人がいきなり申し込むことは難しく、まだまだプラチナカードやブラックカードはハードルの高いものです。
年齢とともにライフスタイルの変化やライフステージが上がっていくタイミングでステータス性を求める人には、ハイグレードカードのあるプロパーカードは向いているかもしれません。
発行停止の可能性が低い
3つ目の魅力は発行停止の可能性が低いことです。一般的に年会費が安く、特典が多めの提携カードですが、カード会社との提携が終わる可能性もゼロではありません。提携が終わるとクレジットカードを利用できなくなることもあります。その点、カード会社が発行するプロパーカードなら直接発行しているため、利用できなくなることは少ないでしょう。
光熱費や携帯電話料金のように毎月発生する支払いに利用する場合はプロパーカードの方が安心かもしれません。
サービスが充実している
4つ目のポイントは、サービスが充実していることです。クレジットカードの競争が激しくなっている昨今、付帯サービスの面でプロパーカードと提携カードの違いはほとんどなくなっています。電子マネーや、旅行傷害保険、各種優待サービスなどの特典があるカードは珍しくありません。
ただし、利用限度額についてはいまだにプロパーカードの方が有利なものが多いでしょう。種類によっては限度額の設定がないカードもありますので、限度額を重視する人にとってはプロパーカードがおすすめです。
プロパーカードのデメリット
プロパーカードにはおもに次の2つのデメリットがあります。
- ポイント還元率が低い
- 年会費がかかる
ポイント還元率が低い
クレジットカードにポイント還元率の高さを求める人にとってプロパーカードはあまり魅力的ではないかもしれません。プロパーカードのポイント還元率は、0.3〜1%程度。一方、提携カードの中には1%以上のポイント還元率があるものもあります。使うお店やサービスによっては、それ以上になることも。
プロパーカードも条件によっては、ポイント還元率がアップすることもあるものの、全体的には提携カードの方が有利です。
年会費がかかる
提携カードには年会費無料のものが多いのとは対照的に、一般的にプロパーカードは年会費がかかります。ただしJCBカードの中には、種類や条件によって次年度からの年会費が無料になるものもあります。
アメリカン・エキスプレスやダイナースクラブは高額な年会費がかかりますので、利用金額が少ない人や付帯サービスを利用しない人にはあまりおすすめしません。
アメリカン・エキスプレスは、頻繁に初年度無料のキャンペーンを実施しています。アメリカン・エキスプレスのサービスを試してみたいという人はキャンペーンを活用してみるのもいいですね。
国内の代表的なプロパーカード「JCB一般カード」
ここからは、各プロパーカードの基本情報や魅力を詳しく紹介していきます。まずは、国内唯一の国際ブランドであるJCBカードについて見ていきましょう。
「JCB一般カード」の基本情報
JCB一般カード
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
- 新規入会&利用で最大1万6500円分プレゼント
- 新規入会&スターバックスオンライン利用で8%還元(2021年3月31入会分まで)
- セブンイレブン利用でOki Dokiポイント10倍
- マイルの還元は全てのマイルにおいて、500ポイント以上1ポイント単位から交換
- オンライン入会のみ初年度無料。MyJCB登録、年間50万円(税込)以上ショッピング利用で2年目以降無料
JCB一般カードはJCBプロパーカードの中では年会費が安く、インターネットから新規で申し込むと初年度無料です。付帯サービスとして使えるJCBプラザ ラウンジは海外の主要都市に設置されたJCB会員専用のラウンジです。
インターネットやプリントアウト、ドリンクサービスやマッサージ機などのサービスを無料で利用できます。海外旅行中に観光情報を集められるのはもちろんのこと、ホテルやレストランなどの予約や、カードの紛失や盗難にあってしまったときの対応をお願いすることもできます。
アメリカ本土に旅行する人には、LINEと提携したチャットサービスも提供中。「現地スタッフが最近行ったお気に入りのレストランを知りたい」「観光地をどのように巡るのがベストなのか知りたい」「現在いる場所から目的地までの交通手段を教えてほしい」といったときには、ぜひチャット相談サービスを利用してみてくださいね。
「JCB一般カード」の魅力
JCB一般カードの魅力は次のとおりです。
- MyJチェックに登録して年間50万円以上利用すると次年度以降も年会費が無料
- ポイントプログラムはOki Dokiポイント
- Oki DokiポイントはJCBギフトカードや東京ディズニーリゾートのパークチケットとの交換、Amazonでの買い物などに利用可
- 将来、JCBのハイグレードのカードに入会したい人におすすめ
JCBのハイグレードカード
JCBのハイグレードカードの特徴をまとめました。
<JCBゴールド>
- 年会費1万円(インターネット入会で初年度無料)
- 海外旅行傷害保険の補償額最高1億円
- 空港ラウンジやゴールド会員専用のデスク利用可
<JCBプラチナ>
- 年会費2万5000円
- 「プラチナ・コンシェルジュデスク」24時間365日利用可
- 有名レストランで一人分が無料になる「グルメ・ベネフィット」利用可
- 世界の空港ラウンジが利用できる「プライオリティ・パス」利用可
<JCBザ・クラス>
- JCBの最上位カード。ゴールドカードに入会後インビテーションにより入会可
- プラチナカードで利用できるサービスの他、グルメや旅行などさまざまなサービス利用可
VISAのプロパーカード「三井住友カード(旧クラシックカード)」
次に、日本で初めてVISAと提携した三井住友カードを紹介します。
「三井住友カード(旧クラシックカード)」の基本情報
三井住友カード(旧クラシックカード)
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
- 新規ご入会&Vpassアプリログインで利用金額の20%キャッシュバック【最大12000円】
- With Cashless キャンペーン第2弾(2020/10/1~2020/12/31)
- 【セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、マクドナルドでのご利用】ポイント5倍
- インターネット入会で初年度年会費無料
三井住友カードは、VISAが日本で初めて提携したパートナーである三井住友銀行が発行するカードです。銀行系のクレジットカードの三井住友カードは、提携カードよりも審査が厳しめであることからステータス性が高く、プロパーカードとして認められています。
一般カードにあたる「三井住友カード(旧クラシックカード)」は初年度の年会費は無料ですが、優待サービスや付帯サービスが充実しているのが特徴です。
「三井住友カード」の魅力
三井住友カードの魅力は次のとおりです。
- 国内旅行や海外旅行の手配ができるトラベルサービスが充実している
- 「ポイントUPモール」を経由して買い物をすると、ポイントが2~20倍になる
- 会員限定の優待割引公演がある。ミュージカルや劇の公演チケットが先行予約できる
「三井住友カード」のハイグレードカード
以下に三井住友カードのハイグレードカードの特徴をまとめました。
<三井住友カード プライムゴールド>
- 初年度年会費無料
- 次年度以降5000円、条件により1000円引き
- 20代限定のゴールドカード
- 空港ラウンジサービス利用可
<三井住友カード ゴールド>
- インターネット入会で初年度無料
- 次年度より年会費1万円
- 空港ラウンジ、旅行保険、ショッピング補償などのサービスが充実している
<三井住友カード プラチナ>
- 年会費5万円
- 三井住友カードの最上位カード
- ゴールドカードのサービスに加えコンシェルジュサービスが付いている
優待サービスが充実「ダイナースクラブカード」
3つ目に紹介するのは、ステータスカードとして知られるダイナーズクラブカードです。
「ダイナースクラブカード」の基本情報
ハイステータスなカードとして有名なダイナーズクラブカード。入会審査基準は他のカードよりも厳しいといわれています。その分、利用限度額には一律の上限がなく、会員個人の利用状況などによって決まります。充実した優待サービスが魅力のカードです。
「ダイナースクラブカード」の魅力
日本ではあまりなじみのないカードかもしれませんが、ダイナースクラブカードはステータス性を求める人にはおすすめ。ダイナースクラブカードの魅力は次のとおりです。
- グルメや旅行、エンタメなどさまざまな優待サービスが受けられる
- ダイナースクラブラウンジの利用や空港パーキングサービスの利用、手荷物無料宅配サービスなどが受けられる
- 使い方によっては年会費以上のメリットがある
- 利用状況によって上位カードである「ダイナーズクラブ プレミアムカード」のインビテーションが届く可能性あり
「ダイナースクラブカード」のハイグレードカード
ダイナーズクラブカードには次のようなハイグレードのカードがあります。
<ダイナースクラブ プレミアムカード>
- 年会費13万円
- 家族会員無料
- 入会基準は非公開
- ダイナースクラブカードで利用できるサービスに加え、プレミアムカード会員専用の優待サービスが受けられる
- 24時間対応の専用のコンシェルジュが、旅行やレストランなどの手配をしてくれる
空港サービスが充実「アメリカン・エキスプレス・カード」
最後は、ダイナースクラブカードと並んでステータスカードとして知られるアメリカン・エキスプレス・カードのクレジットカードについて見ていきましょう。
「アメリカン・エキスプレス・カード」の基本情報
アメリカン・エキスプレス・カード
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
アメリカン・エキスプレス・カードは、一般カードでも他社カードのゴールドカード並みのサービスを受けることができます。利用金額に応じてポイントが貯まり、ポイントはカード利用額の支払いやマイル、他社のポイントに交換可能です。年会費は高いものの、ポイント還元率が高いためポイントが貯まりやすくサービスも充実しています。
「アメリカン・エキスプレス・カード」の魅力
アメリカン・エキスプレス・カードの魅力をまとめました。
- 空港ラウンジ利用可、高額な旅行傷害保険など旅行が好きな人にうれしいサービスが充実
- ポイント還元率が高く、一度交換するとポイントの有効期限が無期限になる
- 貯めたポイントは各航空会社のマイルに交換可能
- 会員専用の旅行サイトからホテルや航空券などの予約が可能
アメリカン・エキスプレス・カードは年会費が高額なので、サービスが良くても入会してよいものか迷う人も多いと思います。そんなときは、頻繁に実施されているキャンペーンを上手に活用しましょう。初年度の年会費が無料になるほか、入会後の利用状況によっては大量にポイントを獲得することができます。アメリカン・エキスプレス・カードが気になっているなら、ぜひこうしたキャンペーンのときにお得に入会してくださいね。
「アメリカン・エキスプレス・カード」のハイグレードカード
アメリカン・エキスプレス・カードのハイグレードのカードの特徴は以下のとおりです。
<アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード>
- 年会費2万9000円
- 家族カード1枚目無料(2枚目以上は1万2000円)
- 国内外のレストランで所定のコース料理が1名分無料になる「ゴールド・ダイニングby招待日和」サービス利用可
<プラチナ・カード>
- 年会費13万円
- 家族カード4枚目まで無料
- ゴールドカードで受けられるサービスのほか、年に一度もらえる無料宿泊券がある
まとめ
プロパーカードとは、国際ブランドである「JCB」「ダイナースクラブ」「アメリカン・エキスプレス」の発行するカードのことです。
プロパーカードは提携カードに比べ、審査が厳しいためステータス性の高いカードとしても人気があります。ハイグレードのカードの会員になるとさまざまな優待サービスもプラスされます。単なる決済手段と考えると年会費は高額に思えるかもしれませんが、旅行や外食、エンタメが趣味の人にとっては活用しがいのあるカードといえるのではないでしょうか。