個人事業主におすすめのクレジットカード9選! 審査や会計処理も解説

横山琢哉

横山 琢哉

クレカ利用を考える個人事業主

「個人事業主になってまだ実績は少ないけど、クレジットカードは作れるの?」
「個人事業主として活動するなら、事業用のカードを作った方がいい?」

個人事業主やフリーランスの方であれば、こうした疑問を抱いたことがあるのではないでしょうか。

そこで、今回は個人事業主が法人カードを作るうえで知っておくべきことを解説し、あわせておすすめの個人事業主向けカードを紹介します。

法人カードは個人カードとどう違う?

個人事業主やフリーランスの方が事業用のクレジットカードを作る場合は、法人でなくても「法人カード」になります。まず、法人カードの基本を理解しましょう。

法人カードを利用するメリット

法人カードを利用することのメリットはおもに以下の6点です。

  • キャッシュフローが改善する
  • 経費の管理が楽になる
  • 振込手数料を削減できる
  • ポイントが貯まる
  • 福利厚生サービスが使える
  • ビジネスで使える付帯サービスがある

法人カードを導入するメリットとして大きいのは、何といっても経費の管理が楽になる点です。1人で活動するフリーランスの方であればプライベートの支出と経費をわけることができますし、従業員をかかえている場合はカードを作ることで、出張経費の精算などの手間も不要になります。

メリットとデメリットについて話す男女

法人カードを作ることにはメリットが多く、年会費がかかることくらいしかデメリットがないといって差し支えないでしょう。詳しくは以下の記事をご覧ください。

「おすすめ法人カード7選!ビジネスカードの選び方と導入メリットも解説」

法人カードにはどんな種類がある?

法人カードはおもに個人事業主や中小企業向けの「ビジネスカード」と、大企業向けの「コーポレートカード」に区分されます。事業の規模によって使うべきカードが異なると考えてください。

三井住友カードではビジネスカードをさらに2つにわけ、購買活動専用の「三井住友パーチェシングカード」とあわせて4種類の法人カードを発行しています。おもな点を比較して一覧にしてみましたので、おおまかな違いを理解してください(すべてクラシックカードの情報です)。小規模の事業向けカードは個人カードに近いイメージです。

三井住友ビジネスカードfor Owners 三井住友ビジネスカード 三井住友コーポレートカード 三井住友パーチェシングカード
想定される利用者 小規模の事業向け 中規模の事業向け 大規模の事業向け 大規模の事業向け
申込対象 ・法人代表者
・個人事業主
(いずれも満20歳以上)
法人(カード使用者20名以下が目安) 大企業(カード使用者20名以上が目安) 大企業・中堅企業
年会費 本会員:1250円(パートナー会員は1名につき400円) 使用者1名:1250円(以降、1会員につき400円) 1会員目:1250円(以降、1会員につき400円)
決済口座 ・法人代表者:法人口座または申込者の個人口座
・個人事業主:申込者本人の個人口座または屋号の口座
法人口座 法人口座
(個別決済方式※の場合は個人口座)
法人口座
支払方法 1回払い/リボ払い/分割払い/2回払い/ボーナス一括払い 1回払いのみ
キャッシング 不可 可(個別決済方式は不可) 不可
ポイントプログラム あり なし
福利厚生代行サービス 「ベネフィット・ステーション」が割引価格で利用可 なし

※ 個別決済方式ではカードの利用代金がカード会社から個人口座に請求され、後で法人から振り込まれます。

開業したばかりの個人事業主はカードの審査に通る?

結論からいうと、開業したばかりであってもカードによっては審査に通るものもあります

社員数の多い法人ではなく個人事業主を対象としたカードの中には、公式サイトに「登記簿謄本・決算書不要」「設立直後や事業所得が低い状態でも審査可能」などと書かれているものがあります。このようなカードは事業そのものよりも個人の利用実績などをみて審査をしていると考えられます。

そのため、開業して間もないタイミングであっても申し込んでみる価値は十分にあります。審査に通るか不安な場合は三井住友カードのように事業規模に応じて複数の法人カードを発行している会社で、身の丈に合ったものに申し込むのがおすすめです。

個人事業主におすすめの法人クレジットカード

ここではフリーランスを含む個人事業主の方が法人カードを選ぶときにどんな点に注目すべきかをまず解説し、そのうえでおすすめのカードを紹介します。

法人カードの選び方

法人カードを選ぶときは、おもに以下の点に注目しましょう。

  • 個人事業主を対象としたカードか
  • 利用限度額
  • 従業員向け追加カードの枚数
  • 年会費・還元率
  • 付帯サービス

個人カードを選ぶときと違うのは、利用限度額や従業員向け追加カードの枚数です。

法人カードの場合は経費の決済が目的なので利用額も多くなる可能性が高いため、限度額が足りそうかどうかを申し込む前の時点で考慮しておく必要があります。また、従業員にカードを持たせる場合は追加カードの発行が可能かどうか、何枚まで発行できるかを確認しておいてください。

法人カードの利用を検討する男性

あとは個人カードを選ぶときと同様に、付帯サービスの内容や還元率をチェックしてください。福利厚生サービスや空港ラウンジを利用したい場合はその有無も確認しましょう。

おすすめ法人カード9選

以下では個人事業主の方におすすめのカードを9枚紹介します。はじめて法人カードに申し込む方を前提として、一般カードを中心に紹介しています。

年会費 従業員向け追加カード年会費 国際ブランド 還元率 利用限度額(ショッピング) 国内空港ラウンジ
ダイナースクラブビジネスカード 2万7000円 無料 Diners Club 0.4% 一律の限度額なし 利用可
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード 1万2000円 6000円 American Express 0.3% 一律の限度額なし 利用可
EX Gold for Biz S 2000円 VISA/Mastercard 0.6% 10~300万円 利用可
JCB法人カード 1250円 1250円 JCB 0.3% 10~100万円
三井住友ビジネスカード for Owners クラシック(一般)カード 1250円 400円 VISA/Mastercard 0.5% 0~150万円
セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード 1000円 無料(4枚まで) American Express 0.5% 一律の限度額なし
ライフカードビジネスライト(スタンダード) 無料 無料(3枚まで) VISA/Mastercard/JCB 10~200万円
freee MasterCard 無料 無料(3枚まで) Mastercard 10~300万円
NTTファイナンスBizカードfor owners(レギュラー) 無料 無料 VISA 1% 一律の限度額なし

ダイナースクラブビジネスカード

ダイナースクラブ ビジネスカード

ダイナースクラブ ビジネスカード
還元率 0.4%~
年会費 2万7000円
発行スピード
国際ブランド
電子マネー
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • ETCカード
  • 家族カード

ダイナースクラブビジネスカードはこの記事で紹介している法人カードの中では年会費がもっとも高いですが、ステータス感があるので、どこで利用するときでも恥ずかしくないカードです。

会計ソフト「freee」の優待、経営上の課題の無料相談「プライベートアドバイザー」、「ビジネス・ラウンジ」、「ビジネス・オファー」といった特典が利用できますし、国内外約1000ヵ所の空港ラウンジも無料で使えます。年会費を安くするよりも、ステータス感のあるカードを持ちたいという方におすすめです。

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード
還元率 0.3%~
年会費 1万2000円
発行スピード
国際ブランド
  • American Express
電子マネー
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • ETCカード
  • 家族カード

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードには、ビジネスに役立つ情報を入手できる「G-Search」が年会費無料で利用できたり、福利厚生プログラム「クラブオフ」を年間登録料無料(追加カード会員も含め)で利用できたりするビジネスカード限定の特典がつきます。

また、「ペイフレックス あとリボ for Business」(あとからリボ払いに変更できるサービス)を利用することができます(所定の審査あり)。資金繰りで困ったときは柔軟に支払いを先延ばしにできるので、年会費はやや高めですが、検討する価値は十分にあるでしょう。

EX Gold for Biz S

EX Gold for Biz S

exgoldforbiz
還元率 0.6%
年会費 2000円
発行スピード
国際ブランド
  • VISA
  • Mastercard
電子マネー
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • ETCカード
  • 家族カード
  1. 初年度無料

EX Gold for Biz Sはオリコの個人事業主向け法人カードです。ショッピングの利用限度額が最大300万円と高めの水準である他、キャシングも最大100万円まで可能なのが特徴です。

従業員向け追加カードは作れませんが、国内空港ラウンジや「Mastercardビジネス・アシスト」が利用できる点が他のカードと違います。特に空港ラウンジを利用したい方には年会費が安くおすすめといえるでしょう。

JCB法人カード

JCB一般法人カード

JCB一般法人カードの券面
還元率 0.5%
年会費 1250円※1
発行スピード
国際ブランド
  • JCB
電子マネー
  • QUICPay
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • ETCカード
  • 家族カード
  1. オンライン入会で初年度年会費無料

JCB法人カードは、個人向けの一般的なJCBカードと同様にショッピング1000円の利用につき1ポイントが付与されます。年間で100万円以上の利用があるとポイントが50%アップするので、経費の支払いをまとめればかなりの還元が期待できます。

利用限度額が最大100万円とやや低めなのがネックですが、ゴールドカードにグレードアップすれば250万円まで上がりますし、国内の空港ラウンジその他のサービスを利用できるようになります。そのため、はじめから一般カードではなくゴールドカードを検討するのも良いかもしれません。

三井住友ビジネスカード for Owners クラシック(一般)カード

三井住友ビジネスカード for Owners クラシック(一般)カード

三井住友ビジネスカード for Owners
還元率 0.5%
年会費 1250円※1
発行スピード
国際ブランド
  • VISA
  • Mastercard
電子マネー
  • iD
  • WAON
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • ETCカード
  • 家族カード
  1. インターネット入会で初年度無料

三井住友ビジネスカード for Owners クラシック(一般)カードは、セブン-イレブンやファミリーマートなど対象店舗での利用についてポイントが5倍になります。また、登録した店舗(最大3つ)での利用については2倍になります。

また、「ビジネスサポートサービス」を利用できたり、国内外の宿泊施設やスポーツクラブなどが割引価格になる「ベネフィット・ステーション」を割引価格で利用できたりするなどのメリットがあります。年会費に相当するメリットが十分に期待できるので、小規模の個人事業主ならぜひ検討したい1枚です。

セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
還元率 0.5%
年会費 1000円
発行スピード 最短3営業日
国際ブランド
  • American Express
電子マネー
  • iD
  • QUICPay
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • ETCカード
  • 家族カード

セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードは2020年1月に発行されたばかりのカードで、ファミリーカード(従業員または家族向け)が4枚まで発行できます。本会員の年会費は1000円、ファミリーカードの年会費は無料と格安なのにポイントプログラムが充実しているので、上手に利用すれば多くの還元を受けることができます。

その他、「ビジネスアドバンテージ」や会計・給与のクラウドサービスで優待を受けられるなどさまざまなメリットがあります。家族で小さなお店を経営する個人事業主に合っているカードといえます。

ライフカードビジネスライト(スタンダード)

ライフカードビジネスライト スタンダード

ライフカードビジネスライト スタンダード
還元率
年会費 無料
発行スピード
国際ブランド
  • VISA
  • Mastercard
  • JCB
電子マネー
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • ETCカード
  • 家族カード

ライフカードビジネスライト(スタンダード)は年会費無料ですが、ショッピング枠は最大200万円まで付与され、従業員カードも最大3枚まで作ることができます

ポイント還元は受けられませんが、年会費2000円を支払えばゴールドカードとなり、1000円につき1ポイント(0.5%相当)のポイントが貯まるようになります。また、旅行傷害保険が付帯したり国内の空港ラウンジが利用できたりするようになるので、年会費を払ってもよいと考える方はゴールドカードも検討してみてください。

freee MasterCard

freee MasterCard

freee MasterCard
還元率
年会費 無料
発行スピード
国際ブランド
  • Mastercard
電子マネー
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • ETCカード
  • 家族カード

freee MasterCardはクラウド会計ソフトの「freee」がライフカードと提携して発行している法人カードです。公式サイトに「設立直後や、事業所得が低い状態でも審査可能」「他のカード会社で作れなかった個人事業主の方でも発行できた事例も」とあることから、他のカードと比べて審査が緩やかである可能性があります。

freeeの利用者にはカード限定特典や最低限度額設定が有利になるなどのメリットもあります。年会費も無料なので、審査に通るか不安な方なら検討したいカードです。

NTTファイナンスBizカード for owners(レギュラー)

NTTファイナンス Bizカード for owners

NTTファイナンス Bizカード for owners
還元率 1.0%
年会費 無料
発行スピード
国際ブランド
  • VISA
電子マネー
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • ETCカード
  • 家族カード

NTTファイナンスBizカード for ownersは還元率が1%と、他のカードよりも高めに設定されているのが特徴です。貯まったポイントは個人カードと同じようにキャッシュバックを受けたり、好きな商品に交換したりすることができます。

ポイント以外で特に際立ったメリットがあるとはいえませんが、本会員・従業員カードとも年会費は無料なので、コストをかけずに法人カードをとりあえず導入してみたいという方にはおすすめのカードです。

クレジットカードカードの会計処理

法人カードを導入するにあたっては、あらかじめ確定申告のための会計処理をどうするか知っておく必要があります。そこで、ここでは最低限、知っておくべき点を整理します。

クレジットカードカードで支払ったときの帳簿の記帳方法

クレジットカードで支払ったときの記帳方法は、確定申告の方法によって以下のように変わります。

確定申告の方法 白色申告 青色申告(10万円控除) 青色申告(65万円控除※)
現金主義の特例の適用を受けている場合 現金主義の特例の適用を受けていない場合
記帳のタイミング カードを利用した日(発生主義) 代金の引き落とし日(現金主義) ・カードを利用した日(発生主義)
・代金の引き落とし日

※令和2年分以降の所得税の申告からは所定の要件(e-Tax による申告または電子帳簿保存)を満たさない場合、55万円になります。

白色申告の場合

白色申告で確定申告を行っている場合でも原則として発生主義で処理するため、カード利用代金の引き落とし日ではなく、カードを利用した日に記帳します。

青色申告10万円控除の場合

「現金主義による所得計算の特例を受けることの届出書」を提出し、現金主義による記帳が認められている青色申告者はカード代金の引き落とし日に以下の仕訳をする必要があります。

(借方) (貸方)
代金の引き落とし日 消耗品費 普通預金※

※ 個人口座から引き落とされる場合は「事業主借」勘定

同届出書を提出していない場合は発生主義による記帳となるので、次に説明する65万円控除の場合と同じです。

青色申告65万円控除の場合

青色申告書を提出し、65万円の特別控除を受ける要件を満たしている場合はカードを利用した日と代金の引き落とし日に記帳が必要です。仕訳は以下のようになります。

(借方) (貸方)
カードの利用日 消耗品費 未払金
代金の引き落とし日 未払金 普通預金※

※ 個人口座から引き落とされる場合は「事業主借」勘定

なお、事業用の預金口座を使用していない場合はカードの利用日における仕訳で未払金勘定を立てずに事業主借勘定で処理し、引き落とし日の仕訳をなくすこともできます。

ポイントはどう処理する?

法人カードでもショッピング利用金額に応じてポイントが付与されるものが多いですが、ポイントには経済的価値があるので会計処理が必要になります。

ポイントが付与されたとき

ポイントが付与された時点では会計処理は不要です。なぜなら、ポイントは使ったときにはじめてメリットが得られるからです。

ポイントを使用したとき

ポイントを使用したときは、以下のいずれかの方法で処理します。ここでは1万円の商品を買って500円分のポイントを使用した場合の仕訳の例を示します。

会計処理の方法 (借方) (貸方)
値引処理 消耗品費 9,500 現金 9,500
両建処理 消耗品費 10,000 現金 9,500
雑収入 500

「値引処理」ではポイントによる経済的価値500円を購入金額から差し引いて処理します。「両建処理」では購入金額から差し引かず、500円を収入として計上します。いずれも減価償却資産の購入でなければ結果は同じなので、手間を考えれば値引処理の方が良いでしょう。

カードで支払った分の領収書はどうする?

経費は領収書がないと基本的に経費として認められませんが、クレジットカードで支払った場合は相手方から対面して直接、領収書を受け取る機会がありません。

しかし、実務上はカードの利用明細であっても認められているようです。ただし、カードの利用明細は相手方がよくわからない書き方がされていることも多いので、何に使ったお金なのか、請求先はどこなのかということを記録しておく必要があるでしょう。

また、マイページで領収書の印刷が可能になっていることも多いので、できる限り印刷して保管しておくのが望ましいです。不安な方は所轄の税務署に問い合わせて確認してください。

まとめ

  • 個人事業主やフリーランスがビジネスで利用するカードは「法人」カード事業規模に合ったカードを選ぶのが基本
  • 法人カードはメリットが多いので、積極的に導入を検討する価値がある
  • 個人事業主なら登記簿謄本や決算書の提出が求められないカードの方が審査に通る可能性が高いと考えられる
この記事を書いた人

横山琢哉

横山 琢哉2級ファイナンシャル・プランニング技能士/ライター

執筆を中心に活動するフリーランスのファイナンシャルプランナーです。得意ジャンルは保険、クレジットカード、その他マネー系全般。キャッシュレスな支払いを好み、日本全国どこでもキャッシュレスで生活できるようになってほしいと日々思っています。

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