リボ専用カードのメリット
リボ専用カードを一般のクレジットカードと比べた場合、以下の3点のメリットが挙げられます。
- 繰り上げ返済が可能
- 支払い方法の変更設定が不要
- 一般カードより限度額が高め

繰り上げ返済が可能
通常、クレジットカードの利用代金の返済(引き落とし)は毎月の決められた日に行われますが、リボ専用カードはその日よりも早く返済(繰り上げ返済)できるものが多いです。繰り上げ返済をするとその分の手数料が浮くので、資金の都合がついたときは繰り上げ返済をするのがお得です。
なお、リボ専用カードは一般のクレジットカードよりもポイントの還元率が高めに設定されているものがありますが、そのようなカードは繰り上げ返済をしてリボ払い手数料が発生しない月については還元率が下がることがあります。ただし、ポイントよりも手数料を減らすメリットの方が大きいので気にしない方が良いでしょう。
支払い方法の変更設定が不要
一般のクレジットカードでもリボ払いは利用できますが、リボ専用カードなら自動的にリボ払いとなるので、後からリボ払いに変更する手間が省けます。そのため、切り替えの期限までに切り替える手続きを忘れるというミスを防ぐことができます。
一般カードより限度額が高め
リボ専用カードの利用限度額は、一般のクレジットカードよりも高めに設定されていることが多いです。一般のクレジットカードを作っても十分な金額の限度額を設定してもらえないという場合は、リボ専用カードを選択するのも1つの方法です。

リボ専用カードを選ぶ際のポイント3つ
リボ専用カードを選ぶときは、以下の3点に注目しましょう。
- 支払い方式は2つある
- 手数料
- 発行までの期間
支払い方式は2つある
リボ払いの利用代金の支払い方式はおもに「定額方式」と「残高スライド方式」の2種類があり、カードによって異なります。カードごとにどちらか1つの方式が指定されており、複数の方式から好きな方を選ぶということはできません。

定額方式の場合は利用残高にかかわらず毎月の返済額が一定ですが、残高スライド方式の場合は利用残高が多くなると、その残高に応じて毎月の返済額も高くなります。例えば10万円までは毎月1万円、10万円超20万円以下は2万円、といった具合です。

なお、いずれも毎月の返済額が手数料込みの場合と、手数料が別に加算される場合があるので注意してください。
リボ払いでは、締め日における利用残高に対して手数料がかかります。
例えば利用残高が10万円で実質年率が18%の場合、手数料は10万円×0.18×30日/365日=1479円(端数切捨て)と計算します。
手数料が別だと毎月の返済額が1万円とされている場合でも、合計で1万1479円が総返済額となります。これに対し、手数料込みの場合は1万円から1479円を差し引いた8521円が元本の返済額で、総返済額が1万円となります。
手数料
リボ払いの手数料はカード会社によって異なります。一般的には年15.0%程度ですが、以下で紹介する「三井住友カード RevoStyle(リボスタイル)」のように、年9.8%という低い水準に設定されているものもあります。
なお、リボ払いはショッピングとキャッシングのいずれでも利用できますが、それぞれの手数料率が異なることもあります。
発行までの期間
リボ専用カードの中には以下で紹介する「ACマスターカード」のように最短即日で入手できるものもありますが、早くても3営業日程度の日数がかかるものと考えておいた方が良いでしょう。
リボ専用カード5枚を徹底比較
ここではリボ専用カードのうちおすすめの5枚を紹介します。一覧でざっと比較し、おおまかな違いを理解してください。なお、リボ払い以外の支払い方法を選べるカードもありますが、リボ払いメインのカードとご理解ください。
JCB CARD R | 三井住友カード RevoStyle | ACマスターカード | セディナカードJiyu!da! | ライフカードstylish | |
---|---|---|---|---|---|
年会費 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
支払方式 | 残高スライド方式 (手数料別) |
残高スライド方式 (手数料込み) |
定率リボルビング方式※ (手数料込み) |
定額方式 (手数料別) |
残高スライド方式 (手数料込み) |
繰り上げ返済 | 可 | 可 | 可 | 可 | 可 |
リボ払い以外の支払い | 不可 | 可 | 不可 | 可 | 不可 |
還元率 | 2%(手数料発生月) | 1%(手数料発生月) | 0.25% | 0.50% | 0.40% |
発行日数 | 最短3営業日 | 最短翌営業日 | 最短即日 | 最短2週間程度 | 最短3営業日 |
ショッピングリボの手数料率 (実質年率) |
年15.0% | 年9.8% | 年10.0~14.6% | 年15.0% | 年15.0% |
利用限度額 | 0~200万円 | 10~80万円 | 10~800万円 (クレジットとカードローンの合計) |
個別に決定 | 10~200万円 |
※ 締日の利用残高に定率をかけて毎月の返済額が決まるため、残高スライド方式の一種といえます。
JCB CARD R
JCB CARD R
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
- 「ショッピングリボ払い手数料」のお支払いがあることが条件となります。
JCB CARD Rは、JCBが発行するリボ払い専用のクレジットカードです。
毎月の返済については残高スライド方式を採用しており、返済総額は定額の元本と、締め日における残高に応じた手数料を加算した金額となります。元本の返済額については「ゆとりコース」と「標準コース」の2つから選ぶことができ、金額は以下のように定められています。
利用残高 | 毎月返済額(元本のみ) |
---|---|
10万円以下 | 5000円 |
10万円超 50万円以下 | 1万円 |
50万円超 100万円以下 | 1万5000円 |
100万円超 | 2万円 |
利用残高 | 毎月返済額(元本のみ) |
---|---|
10万円以下 | 1万円 |
10万円超 20万円以下 | 2万円 |
20万円超 30万円以下 | 3万円 |
30万円超 | 利用金額10万円ごとに1万円加算 |
なお、繰り上げ返済(まとめ払い)については振替日前に銀行やコンビニATMで支払ったり、「MyJCB」やテレホンサービスを通じて振替日における支払金額を変更したりすることが可能です。そのため、余裕のあるときは繰り上げ返済をすることで手数料の総額を減らすことができます。
三井住友カード RevoStyle(リボスタイル)
三井住友カード RevoStyle
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
- リボ払い手数料発生月
三井住友カード RevoStyleは、ショッピング1回払いで利用した分が自動的にリボ払い(「マイ・ペイすリボ」の残高スライドコース)として扱われるカードです。手数料率が年9.8%という低い水準であるのが最大の特徴です(ただしキャッシングの年率は年18.0%)。
毎月の返済額は10万円ごとに5000円ずつ以下のように増加します(手数料込み)。返済額をこの金額以下に減額することはできませんが、増額はできるので、余裕ができたときに多く支払うことで手数料の総額を減らすことができます。
締日時点での利用残高 | 毎月の返済額 |
---|---|
10万円以下 | 5000円 |
10万円超 20万円以下 | 1万円 |
20万円超 30万円以下 | 1万5000円 |
30万円超 40万円以下 | 2万円 |
40万円超 | 利用金額10万円ごとに5000円を加算 |
なお、リボ払い以外にもボーナス一括払い・2回払い・分割払いも利用することができるので、リボ払い以外の方法で支払いたいこともあるという方には便利です。
ACマスターカード
ACマスターカードは消費者金融のアコムが発行するクレジットカードです。最短で即日発行が可能なので、利用を急いでいる方は検討したいカードです。
ACマスターカードの返済方法は「35日ごと」の支払いと「毎月指定日」の支払いから選ぶことができます。毎月の支払金額(弁済金)は手数料も含めた定額で、締め日の残高に対して定率(2.0~3.0%)を掛けて計算した金額となります。
なお、毎月20日までのクレジット利用分を翌月6日までに支払うと手数料はかかりません。また、いつでもスマホや提携ATMなどを通じて振込による繰り上げ返済ができるのが特徴です。
また、限度額が非常に高額なのも特徴の1つで、クレジットカードとしてなら最大300万円、カードローンも含めると最大800万円です。ただし、限度額は審査によって決まるので、誰でも最大額まで利用できるわけではありませんので注意してください。
セディナカードJiyu!da!
セディナカードJiyu!da!
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
- 新規入会&キャンペーン応募の上、10000円以上のショッピング利用で利用金額の20%ポイントプレゼント(2020年3月1日~8月31日)
- ショッピング利用の期間はカード入会付きを含む最大3か月。ポイント上限は10000円分。
セディナカードJiyu!da!は、1回払いのショッピング代金について、「月々払い」と「よゆう払い」を組み合わせて毎月の返済額を決めることができます。
「月々払い」分は、毎月27日に支払う元本の金額を5000円以上から自由に変更できます(ただし入会時は「5,000円コース」「10,000円コース」「20,000円コース」から選択)。これに、好きなときに好きなだけネットや銀行ATMなどを通じて自由に支払う「よゆう払い」分と、手数料を加えた金額が月間の返済総額となります。
なお、ショッピングの利用金額についてはリボ払いだけでなく、2回払い、分割払い、ボーナス一括払い、ボーナス2回払いも選べます。
ライフカードstylish
ライフカードstylishは「AUTOリボ」が自動付帯されるカードで、支払い方法を1回払いに指定した場合でも自動的にリボ払いになります。
毎月の支払金額は「3,000円コース」、「4,000円コース」、「5,000円コース」、「10,000円コース」、「20,000円コース」、「30,000円コース」の6とおりから自由に変更することができます。
ただし、以下のとおり利用残高に応じて実際の支払額が変わります。そのため、例えば3,000円コースを選んでも、利用残高が15万円なら毎月の返済額は6000円となるので注意してください。
利用残高 | 3,000円コース | 4,000円コース | 5,000円コース | 10,000円コース | 20,000円コース | 30,000円コース |
---|---|---|---|---|---|---|
10万円以下 | 3000円 | 4000円 | 5000円 | 1万円 | 2万円 | 3万円 |
10万円超 20万円以下 | 6000円 | 8000円 | 1万円 | 1万円 | 2万円 | 3万円 |
20万円超 30万円以下 | 9000円 | 1万2000円 | 1万5000円 | 2万円 | 2万円 | 3万円 |
30万円超 40万円以下 | 1万2000円 | 1万6000円 | 2万円 | 2万円 | 2万円 | 3万円 |
※40万円以上の場合、利用金額ごとに各コースの基準額を加算
※3万円コースの場合、利用残高60万円まで支払額が3万円
リボ払いのリスク
これまでリボ専用カードのメリットをおもに解説してきましたが、利用にあたって注意すべき点もあります。申し込みをする前にしっかり理解しておきましょう。
- 金銭感覚が麻痺する
- 個人信用情報を棄損する可能性がある
金銭感覚が麻痺する
リボ払いはカードの利用を増やしても、毎月の返済額が増えるとは限りません。残高スライド方式の場合は利用金額が増えると毎月の返済額も段階的に上がりますが、定額方式(手数料込み)の場合は一定です。そのため金銭感覚が麻痺し、使いすぎてしまう可能性があります。
定額方式(手数料込み)の場合、利用金額が増えて手数料が高くなると返済金額に占める元本の割合が少なくなります。そうすると、返済しても元本がなかなか減らないという状態になるので注意してください。
個人信用情報を棄損する可能性がある
クレジットカードを利用すると、その情報はCICなどの信用情報機関に登録されます。
登録される情報は氏名や生年月日などの基本情報だけでなく、どのカードに申し込んだのか、きちんと返済しているかといった内容です。
そのうち、特に大事なのが支払いに関する情報ですが、リボ払いを使いすぎて支払いができなくなるとその記録が残り、信用情報に傷がつきます。
信用情報は他のクレジットカードを作るときや住宅ローンの審査などにも利用され、延滞など金融事故の記録があると不利になる可能性が高いです。こうした情報は最長で5年間保存されるので、リボ専用カードを利用する場合はきちんと支払いができる範囲にとどめておくことが大事です。
まとめ
- リボ払いの返済方式には「定額方式」と「残高スライド方式」があり、カードによってどちらかに決まっている
- 手数料率はカードによって違いがあるのでよく比較すべき
- 繰り上げ返済ができるカードだと、資金の都合がついたときに手数料の総額をおさえられる
- 大切なのはきちんと管理して少しでも早く支払いを終えること