楽天ペイとSuicaの連携でどうなる?「赤いSuica」のメリット・デメリット

楽天ペイとSuica

楽天ペイメントとJR東日本旅客鉄道(以下、JR東日本)は2019年6月5日、2020年春をめどとして、コード決済サービスの「楽天ペイ」と交通系電子マネー「Suica」の連携を発表しました。

山手線の新駅である高輪ゲートウェイ駅でQRコードを利用できる改札機が導入されるとの発表もあり、これらのサービスを利用している方にとっては気になるところではないでしょうか。

そこで、今回は記事執筆時点(2019年12月)において明らかになっている情報をもとに、両社が連携することでどんなメリット・デメリットがあるのか解説します。

※価格の表記に関して、特に指定があるもの以外は税抜き表記となっています。

楽天ペイとSuicaの連携とは?

楽天ペイとSuicaが連携することで、楽天ペイアプリからバーチャルSuicaを発行し、楽天ペイアプリ上でSuicaを利用できるようになります。サービスの開始は2020年春を予定しており、楽天ペイアプリから発行されるSuicaは、楽天のイメージカラーである赤を基調としたデザインになることから「赤いSuica」とも呼ばれています。

JR東日本が連携を決めた背景の1つには、モバイルSuicaの利用者が伸びない点があります。プラスチックカードも含めたSuicaの発行枚数は約7587万枚ですが、モバイルSuicaの会員は約715万人にとどまっています(発表当時)。

詳しくは以下で解説しますが、両社の連携を簡潔にまとめると次のようになります。

  • 楽天ペイアプリからバーチャルSuicaを発行できる(Android携帯のみ)
  • 楽天カードからバーチャルSuicaにチャージできる
  • チャージした分については楽天スーパーポイントが貯まる

なお、類似のサービスとしては、みずほ銀行の提供する「みずほWallet for iOS」があります。このアプリはSuicaを発行して利用することができ、みずほ銀行の口座からチャージできる点がモバイルSuicaと違います。楽天ペイアプリからSuicaを発行することについてイメージをつかみたければ、こちらを使ってみるのが良いかもしれません。

楽天ペイとSuicaが連携することのメリット・デメリット

楽天ペイメントとJR東日本の会見をもとに、予測されるユーザーにとってのメリットとデメリットについて整理してみましょう。

なお、両社の連携によってできること・できないことをまとめると以下のようになります(いずれもサービス開始時点)。

Suicaの発行 (Android携帯のみ)
Suicaへのチャージ (楽天カードからのみ)
チャージによるポイントの付与
オートチャージの利用 ×
定期券の購入 ×
Suicaグリーン券の購入 ×

メリット

楽天ペイとSuicaが連携することによるメリットとしては、以下の3点が挙げられます。

  • 楽天ペイアプリからSuicaの発行ができる
  • 楽天ペイアプリからSuicaのチャージができる
  • 日常生活のサービスをさらに楽天で統一できる

(1)楽天ペイアプリからSuicaの発行ができる

この点はすでに述べているとおり、楽天ペイアプリから発行したSuicaを利用して鉄道やバスに乗ったり、店頭で買い物をしたりすることができるようになります。なお、モバイルSuicaを利用するのと比べてどういうメリットがあるのかについては不明です。

(2)楽天ペイアプリからSuicaのチャージができる

Suicaと連携した楽天ペイアプリでは、登録した楽天カードからSuicaへのチャージができ、チャージした金額については楽天スーパーポイントが付与されます。還元率については後日公表予定となっており、記事執筆時点では不明です。なお、楽天カードの利用によるポイント還元率は1%(100円につき1ポイント)が基本なので、Suicaチャージでも1%になる可能性が高いと考えられます。

また、従来は楽天カードからモバイルSuicaにチャージしてもポイントが貯まりませんでしたが、楽天ペイアプリからのチャージならポイントが貯まるようになるというのもメリットと言えるでしょう。

なお、2020年2月26日(予定)からは、ビューカード以外のクレジットカードでモバイルSuicaにチャージする際にかかっていた年会費1050円(税込)も無料になります。

(3)日常生活のサービスをさらに楽天で統一できる

いわゆる「楽天経済圏」で生活(日常生活で利用するサービスを楽天グループが提供するものになるべく統一して生活)する方にとっては、今までなかった交通の分野でも楽天関連のサービスを選ぶことができるようになります。そして、貯まるポイントが分散せず、楽天スーパーポイントに統一できるというメリットがあります。

デメリット

楽天ペイとSuicaの連携にはメリットがある一方、以下のようなデメリットもあります。

  • 対象はおサイフケータイ機能のあるAndroid携帯のみ
  • 楽天カードからしかSuicaにチャージできない
  • オートチャージができない
  • 定期券の利用ができない

(1)対象はおサイフケータイ機能のあるAndroid携帯のみ

サービス開始時点で提供されるのは、おサイフケータイ機能のあるAndroid携帯のみです。iPhoneでの提供については未定となっています。

(2)楽天カードからしかSuicaにチャージできない

楽天ペイアプリで発行したSuicaは、楽天カードからしかチャージできません。楽天ペイアプリには楽天カード以外のカードも登録できるので、Suicaへのチャージだけができないというのはやや理解に苦しむところでしょう。

(3)オートチャージができない

楽天ペイアプリから発行したSuicaでは、オートチャージができません

コード決済アプリの中にはPayPayやファミペイのようにオートチャージが可能なものもあるので、決して他に例がないわけではありません。

また、モバイルSuicaならビューカードを支払い元として登録するという条件はつきますが、オートチャージができるので、この点もせっかく両社が連携するのになぜ取り入れないのか不思議なところです。

オートチャージのメリットは大きいので、すでにモバイルSuicaをビューカードで利用しているユーザーなら、切り替えることをためらう理由になるかもしれません。

(4)定期券の利用ができない

楽天ペイアプリで発行したSuicaは定期券の利用ができません。そのため、定期券を使いたい場合はモバイルSuicaアプリと併用することが必要になります。また、Suicaグリーン券も同様です。そのため、定期券やSuicaグリーン券を購入する機会のあるユーザーにとっては、両者を使い分ける手間が生じます。

iphoneユーザーはどうすればいい?

「デメリット」でお伝えしたとおり、今回の連携サービスの対象はおサイフケータイ機能のあるAndroid携帯のユーザーのみです。「iphoneユーザー」は、還元率の高いクレジットカードでモバイルSuicaにチャージする方法があります。

モバイル型Suicaは、スマホへアプリをダウンロードして利用するタイプの交通系電子マネー。おサイフケータイ対応のAndroidや、「7」以降のiPhoneで利用可能となっています。モバイル型Suicaにはほとんどのクレジットカードが登録可能ですが、先述のとおり楽天カードはチャージをしてもポイントが貯まりません。チャージでポイントが貯まるクレジットカードの中でおすすめなのが、JCBが発行する39歳以下向けのクレジットカード「JCB CARD W」です。

JCB CARD W

JCB CARD W
還元率 1.0%※1
年会費 無料
発行スピード 最短3営業日
国際ブランド
  • JCB
電子マネー
  • QUICPay
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • ETCカード
  • 家族カード
お得なキャンペーン情報
  1. 2020年3月31までに入会すると、入会後3ヶ月間ポイント4倍
  2. Amazonでの利用でポイント10倍
  3. 優待店でポイント還元率アップ。スターバックス5.5倍、セブン‐イレブン2倍

基本還元率は1.0%程度と高く、通常のJCBカードの2倍のポイントが貯まります。年会費は無料なので、モバイルSuicaへの登録用に新しく発行するのもおすすめです。

2019年12月31日までの新規入会でポイントが最大30倍になるキャンペーンを実施中。また、JCBカードをApple Payに設定して、Apple Payを利用することで利用額の20%(最大1万円)をキャッシュバックしてくれるキャンペーンもあります(キャンペーン参加登録が必要、 2019年12月15日まで)。

楽天カードはどんなカード? その特徴やメリットを解説

先述のとおり、楽天ペイアプリからSuicaへのチャージは楽天カードからしかできないので、楽天ペイとSuicaの連携がスタートしたらすぐに使いたいのであれば、あらかじめ楽天カードを作っておくのがおすすめです。

楽天カードは一般カードだけでなく、上位ランクのカードも年会費が安く人気のあるクレジットカードなので、もし持っていないのであれば検討する価値はあります。ここでは楽天カードの特徴やメリットについて、3枚のカードをご紹介します。

カードの名称 カードのランク 年会費 還元率 特徴
楽天カード 一般カード 無料 1% 年会費は条件なしで永年無料
楽天ゴールドカード ゴールドカード 2000円 1%(楽天市場で最大5倍) 国内空港ラウンジ(カードラウンジ)と一部の海外ラウンジが利用できる
楽天プレミアムカード プラチナカード 1万円 1%(「選べるサービス『楽天市場コース』と「お誕生月サービス」の併用で、楽天市場で最大7倍) プライオリティ・パスのプレステージ会員に無料でなることができる

楽天カード

楽天カード

楽天カード
還元率 1.0%※1
年会費 無料※2
発行スピード 1週間〜10日
国際ブランド
  • VISA
  • Mastercard
  • JCB
  • American Express
電子マネー
  • 楽天Edy
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • ETCカード
  • 家族カード
お得なキャンペーン情報
  1. 入会と「楽天e-NAVI」への登録で、2000ポイントプレゼント
  2. カード申込翌月末までにカードショッピング1回以上の利用で、5000ポイント(期間限定ポイント)プレゼント
  1. 楽天グループのサービスでの利用で2倍〜最大16倍※SPU(スーパーポイントアッププログラム)により、さまざまな条件あり
  2. 家族カード年会費:無料

楽天のもっともベーシックなカードです。年会費は永年無料で、ショッピング100円の利用につき1ポイントの楽天スーパーポイントが貯まります。

年会費が無料でも充実した補償内容の旅行傷害保険が付帯されていますし(ただし利用付帯)、不正検知システムやカード盗難保険など不正利用の対策もしっかりなされているので安心です。

一定の条件を満たすとキャンペーンで最大5000円相当のポイントをもらうこともできるので(2019年12月現在)、楽天のサービスを利用する機会があるなら作っておきたいカードと言えるでしょう。

なお、女性なら同じ機能をもつ楽天PINKカードに申し込めば、楽天PINKカード限定のカスタマイズ特典もついてくるので、こちらを検討してみてください。

楽天ゴールドカード

楽天ゴールドカード

楽天ゴールドカード
還元率 1.0%※1
年会費 2000円※2
発行スピード 1週間〜10日
国際ブランド
  • VISA
  • Mastercard
  • JCB
電子マネー
  • 楽天Edy
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • ETCカード
  • 家族カード
  1. 楽天グループのサービスでの利用で2倍〜最大16倍※SPU(スーパーポイントアッププログラム)により、さまざまな条件あり
  2. 家族年会費:500円 / 1枚につき

一般楽天カードの上位カードにあたるのが楽天ゴールドカードです。年会費は2000円と安いのに、国内空港ラウンジ(カードラウンジ)や一部の海外空港ラウンジが年2回まで無料で利用できます

また、ショッピングの還元率は100円につき1ポイントなので一般カードと同じですが、楽天ゴールドカードを使って楽天市場で買い物をした場合、通常ポイントと期間限定ポイントをあわせ、最大でポイントが5倍になります。

さらに他の楽天関連のサービスを併用すれば、楽天市場での買い物で最大16倍のポイントがもらえます。楽天グループをよく利用するのであれば、年会費以上のメリットがあるかもしれません。

楽天プレミアムカード

楽天プレミアムカード

楽天プレミアムカード
還元率 1.0%※1
年会費 1万円※2
発行スピード 1週間〜10日
国際ブランド
  • VISA
  • Mastercard
  • JCB
  • American Express
電子マネー
  • 楽天Edy
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • ETCカード
  • 家族カード
  1. 楽天グループのサービスでの利用で2倍〜最大16倍※SPU(スーパーポイントアッププログラム)により、さまざまな条件あり
  2. 家族カード年会費:500円 / 1枚につき

楽天プレミアムカードはゴールドカードの1ランク上のカードで、年会費は1万円です。

楽天プレミアムカードの最大のメリットは、世界148ヵ国・1300ヵ所以上の空港ラウンジを利用できる「プライオリティ・パス」の最上位プランである「プレステージ会員」に無料で申し込める点です。

プレステージ会員の年会費は429USドル(1ドル=110円なら約4万7000円)ですが、わずか1万円の年会費を支払うことでこのサービスを利用することができるのです。そのため、海外の空港ラウンジをよく利用する方にとってはそれだけで年会費を超えるメリットがあります。

ポイントについては楽天プレミアムカード会員限定のサービス(「選べるサービス『楽天市場コース、「お誕生月コース」)を併用することで、最大7倍のポイントがもらえます(さらに他の楽天関連サービスを併用すれば最大で16倍になる点はゴールドカードと同じです)。

ビューカードでSuicaにチャージすれば1.5%の還元

JR東日本グループが発行するSuica機能のついたビューカードの中には、Suicaにチャージをするだけで1.5%の還元を受けられるものがあります。

先述のとおり、楽天ペイからSuicaにチャージをしたときの還元率については発表されていませんが、もし1%になら、ビューカードを作ってモバイルSuicaで利用するほうが、還元率が高いということになります。

また、ビューカードを作ってモバイルSuicaの支払い元として登録すれば、オートチャージも利用できます。楽天ペイアプリから発行したSuicaではオートチャージができないので、楽天ペイアプリからSuicaを発行するよりも便利ということになるかもしれません。

以下で、Suicaへのチャージで1.5%の還元を受けられるビューカードを2枚、紹介しますので、興味があればこの機会に検討してみてください。

カードの名称 年会費 還元率 特徴
JRE CARD 477円(初年度無料) 0.5~3.5% JRE CARD優待店での利用なら高還元率
ビックカメラSuicaカード 477円(初年度無料) 1.0~11.5%(ビックポイントでの還元との合計) ビックカメラやソフマップでの買い物が多ければかなりお得

JRE CARD

JRE CARD

JRE CARD
還元率 3.5%※1
年会費 477円※2
発行スピード 最短1週間
国際ブランド
  • VISA
  • Mastercard
  • JCB
電子マネー
  • Suica
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • ETCカード
  • 家族カード
  1. 駅ビルのJRE CARD優待店での利用で最大3.5%
  2. 初年度無料

JRE CARDをJRの主要駅にある「JRE CARD優待店」や、ネットのショッピングモール「JRE MALL」にてクレジット払いで利用すると、100円につき3.5ポイントのJRE POINTが貯まります

また、Suicaにチャージすると、チャージした金額の1.5%の還元を受けることができるので、日常的にSuicaで支払いをしている方にとってはJRE CARD優待店以外でもお得に利用することができます。

通常のショッピングでは0.5%の還元しか受けられませんが、JRE POINT加盟店(JRE CARD優待店とは違います)での利用なら1.5%の還元なので、使い方次第ではメリットの大きいカードと言えるでしょう。

なお、年会費は初年度無料ですし、利用代金の明細書をWeb明細にすれば毎月50ポイント、年間で最大600ポイントが貯まるので、実質無料にすることもできます(ただし、カードの利用がない月はポイントがもらえません)。

ビックカメラSuicaカード

ビックカメラSuicaカード

ビックカメラSuicaカード
還元率 0.5~1.5%※1
年会費 477円※2
発行スピード
国際ブランド
  • VISA
  • JCB
電子マネー
  • Suica
  • 国内旅行保険
  • 海外旅行保険
  • ETCカード
  • 家族カード
お得なキャンペーン情報
  1. 新規入会でもれなく1000ポイントプレゼント
  1. 1000円で5~15p、1p=1円
  2. 年1回の利用で次年度の年会費無料

ビックカメラSuicaカードは、Suicaにチャージしてビックカメラ・コジマ・ソフマップで買い物をすると、最大で11.5%のポイント(JRE POINT1.5%とビックポイント10%の合計)が還元されます。

また、JRE CARDと同様にSuicaへのチャージは1.5%の還元が受けられますし、通常のショッピングでも1%(JRE POINT0.5%とビックポイント0.5%の合計)の還元を受けることができるので、どこで利用しても高い還元率で買い物をすることができます。

貯まったビックポイントはSuicaにチャージすることもできるので、ビックカメラで買い物をする機会があまりないという方でもポイントの使い道に困りません(ただし、1500ビックポイント=Suica1000円相当なので還元率は下がります)。

なお、年会費については年1回の利用があれば翌年は無料になります。この点はやや他のビューカードより有利になっています。

まとめ

  • 楽天ペイとSuicaの連携は2020年春から開始の予定
  • 当初はおサイフケータイ機能のあるAndroid携帯のみで利用可能
  • サービス開始時点におけるメリットは限定的なので、別々に利用するのとそれほど変わらないかも