コストコの会員制度の仕組み
コストコの会員でない方や、会員だけどポイントプログラムについてはよく知らないという方のために、まずコストコの会員制度について簡単に解説します。
コストコで買い物をするためには原則として年会費を支払い、会員になる必要があります(18歳以上なら誰でも入会可)。基本の会員種別は以下の2つです。
- ゴールドスターメンバー(個人向け、年会費4400円)
- ビジネスメンバー(法人・事業主向け、年会費3850円)
さらに、追加の年会費(更新までの月数に応じた金額で、ゴールドスターメンバーは最大4600円)を支払うことで「エグゼクティブ会員」になることができます。
エグゼクティブ会員になると、年間の利用金額に応じて最大で2%の「キャッシュバックリワード」(一般のカードでいうポイントのこと。以下、「リワード」とします)を受け取れます。
エグゼクティブ会員以外にはリワードは付与されませんが、次に説明するコストコグローバルカードで支払いをすれば、その利用金額に応じて付与されます。
なお、リワードは1月1日~12月31日の累計利用額をもとに計算され、翌年2月に付与されます。リワードは会計のときに申し出ると使うことができ、代金からその場で値引きされます。
コストコグローバルカードのメリット・デメリット
国内のコストコでは、以下の4つの支払方法が利用できます。
- 現金
- コストコグローバルカード(クレジットカード)
- その他のMastercardブランドのクレジットカード
- コストコプリペイドカード
コストコグローバルカードは、信販会社であるオリエントコーポレーション(オリコ)が発行しているクレジットカードです。もちろんコストコ以外でも使えます。
他のクレジットカードについては倉庫店、オンラインショッピングともにMastercardブランドのカードだけが利用できます。VISAやJCBなど他のブランドのカードは利用できません(ちなみに2018年1月まではAmerican Expressのみが利用できました)。
なお、コストコプリペイドカードは非会員に対し、コストコでの買い物を体験してもらうための性質のものです。プリペイドカードにチャージすると10%増になるような特典があるわけではないので、お得に買い物がしたいのであればクレジットカードを検討してください。
コストコグローバルカードの基本情報
コストコグローバルカード
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
- 初年度無料、年1回以上カードショッピングの利用があれば、次年度年会費無料
コストコグローバルカードは海外旅行傷害保険が最高2000万円、国内旅行傷害保険が最高1000万円(いずれも自動付帯)付帯し、キャッシングやリボ払いも利用できます。これは一般的な年会費無料のカードとおおむね同程度です。
一般的な年会費無料のカードと比較して優れているというほどではありませんが、あくまでもグローバルカードはコストコをよりお得に使うためのカードと考えるのであれば十分でしょう。以下でメリットとデメリットについて具体的に解説します。
コストコグローバルカードのメリット
総合的にみて、コストコの会員ならコストコグローバルカードは入会する価値があります。デメリットも理解したうえで前向きに検討してみてください。

還元率が高い
コストコグローバルカードは、コストコでの買い物については利用金額の1.5%、その他での利用については1.0%をリワードとして還元します。1.0%は一般的なクレジットカードの中でも高い水準の還元率です。
付与されたリワードは全国のコストコ倉庫店とガスステーション(併設のガソリンスタンド)で、1リワード=1円として利用できます。コストコでの買い物だけ還元率が高くても魅力は今ひとつかもしれませんが、コストコ以外でも1.0%の還元を受けられるなら十分に検討する価値はあるでしょう。
年会費が安い
コストコグローバルカードの年会費は1250円ですが、初年度は無料で、かつ年1回以上のショッピング利用があれば次年度以降も無料となります。
わざわざ(コストコの)年会費を払って会員になっているのなら、年間で1度もコストコを利用しないとは考えられないので、会員の方ならこの条件は問題にならないでしょう。
Mastercardコンタクトレスが使える
コストコグローバルカードには、Mastercardコンタクトレスの機能が搭載されています。コンタクトレス(非接触)機能とは、カードをレジの端末にかざすだけで支払いができる機能(タッチ決済)のことです。

日本ではまだ利用できるところがそれほど多くありませんが、海外では導入が進んでいる国もあります。海外旅行をする機会の多い方なら1枚くらい持っていてもいいかもしれません。ただし、コストコはタッチ決済に対応していません。
コストコグローバルカードのデメリット
コストコグローバルカードには以下のようなデメリットがあります。ただ、コストコを日常的に利用している方ならそれほど問題にならないでしょう。

リワード付与のタイミングが年に1回のみ
一般的なクレジットカードであればポイントは毎月付与されますが、コストコグローバルカードは年に1回しか付与されません。1年分、リワードが貯まるまで使えないということになります。
リワードの有効期限が短い
リワードの有効期限は、リワードが付与された年の年末までです。リワードは2月に付与されるので(原則として2月1日)、有効期限は11ヶ月しかないということになります。付与されたリワードは早めに使うようにしましょう。なお、リワードは手続きなしで自動的に付与されます。
リワードはコストコでしか使えない
一般的なクレジットカードであれば、ポイントはさまざまな商品やサービスに交換できます。しかし、コストコのリワードはコストコでしか利用できません。また、倉庫店とガスステーションでは利用できますが、オンラインショッピングでは利用できません。
コストコグローバルカード以外のおすすめカード
コストコでクレジットカードを使いたいと考えている方なら、コストコグローバルカードと他のカードのどちらを使うべきか迷うこともあるのではないでしょうか。そこで、以下では他のカードを検討するために参考となる点について解説します。
コストコグローバルカード以外のカードはどう選ぶ?
先述のとおり、コストコではコストコグローバルカードに限らずMastercardブランドのクレジットカードならすべて使えます。
カードを選ぶ基準が還元率メインであれば、コストコでの還元だけでなく、他の用途での利用で得られる還元も考慮して選びましょう。
以下の表はコストコでの利用金額が同じでも、コストコ以外での利用が多い場合に受けられる還元がどのくらい変わるかということを示したものです。コストコ以外での利用が多い場合、コストコグローバルカードよりも他のカードの方が有利になることもあります。
月間のカード利用内訳 | コストコグローバルカード | 還元率1.0%の他のカード | 還元率1.2%の他のカード |
---|---|---|---|
コストコ:2万円 その他:1万円 |
コストコ:300円※1 コストコ以外:100円※2 (リワード合計:400円) |
ポイント:300円 | ポイント:360円 |
コストコ:2万円 その他:5万円 |
コストコ:300円 コストコ以外:500円 (リワード合計:800円) |
ポイント:700円 | ポイント:840円 |
※1 2万円×1.5%=300円。還元額は「◯◯円相当」と読みかえてください
※2 1万円×1.0%=100円
生活費の大半はクレジットカードで支払うことができるので、一般的な家計でも、1枚のカードを集中して使えば月に5~10万円ほど支払うことも不可能ではありません。
積み重なればかなりの還元を受けられるので、普段、現金や口座振替で支払っている生活費が多い方は、この機会に生活費の支払いをクレジットカードにすることを検討してみてはいかがでしょうか。

おすすめカード4枚をコストコグローバルカードと比較
リワードやポイントによる還元を中心に、おすすめのカードの特徴を以下のとおりまとめました。REX CARDやリクルートカードは基本の還元率がコストコグローバルカードより高いですし、Amazon Mastercardクラシックや楽天カードも1.0%を超える還元率になる使い方があります。
コストコグローバルカード | REX CARD | Amazon Mastercardクラシック | リクルートカード | 楽天カード | |
---|---|---|---|---|---|
年会費 | 1250円 (初年度無料) |
無料 | 1250円 (初年度無料) |
無料 | 無料 |
年会費無料条件 | 年1回以上の利用 | - | 年1回以上の利用 | - | - |
還元率 | 1.0~1.5% | 1.25% | 1.0% | 1.2% | 1.0% |
国際ブランド | Mastercard | VISA/Mastercard | Mastercardが | VISA/Mastercard/JCB | VISA/Mastercard/JCB |
ポイント付与のタイミング | 毎年2月のみ | 毎月 | 毎月 | 毎月 | 毎月 |
ポイントの有効期限 | リワードが付与された年の末日まで | ポイント獲得月より2年間 | 最終購入日または最終ポイント獲得日のいずれか遅い日から1年間 | 最終のポイント加算日から12ヶ月後の月末まで | 最後にポイントを獲得した月を含めた1年間(通常ポイント) |
REX CARD
REX CARDは信販会社のジャックスが発行するカードです。年会費は条件なしで永年無料です。
REX CARDはショッピング利用2000円(税込)ごとに25ポイント(REX POINT)が付与されます。還元率にすると1.25%なので、コストコ以外での利用が多ければコストコグローバルカードよりも有利になることがあるでしょう。
オンラインモール(Amazonや楽天などのECサイトが登録された仮想モール)の「JACCSモール」を経由して買い物をすると、最大13.25%のポイントが付与されます。貯まったポイントは「Jデポ」に交換すればカードの請求金額から差し引くことができるので、ポイントの使い道に悩むこともなく便利です。
Amazon Mastercardクラシック
Amazon Mastercardクラシック
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
- ・新規入会で2,000ポイントプレゼント
- Amazon.co.jpでの買い物で1.5%ポイント還元
- 入会月から起算して12ヶ月後の月末までに一度でもカードを利用すると、翌年度も年会費無料
Amazon Mastercardクラシックは、Amazonと提携している三井住友カードが発行しているクレジットカードです。年会費は初年度が無料で、翌年以降も年に1回以上の利用があれば無料です。
Amazon Mastercardクラシックの特徴は、Amazonプライムの会員ならAmazonでの買い物が2%還元(プライム会員以外は1.5%)になる点と、ポイントはAmazonポイントとして貯まるので交換の手間がないという点です。
コストコでの買い物は1%還元が適用されてAmazonポイントとして貯まるので、コストコだけでなくAmazonの利用が多いという方はグローバルカードとどちらにすべきか迷うでしょう。
リクルートカード
リクルートカード
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
- 新規入会で4000円分のポイントプレゼント
- 初めてのカード利用で2000円分のポイントプレゼント
- 携帯電話料金の支払いで4000円分のポイントプレゼント
- 期間限定ポイント、サイト限定ポイントあり
- 家族カード年会費:無料
リクルートカードはリクルートグループの運営するクレジットカードです。年会費は永年無料で、基本の還元率は1.2%と高水準に設定されており、コストコでの買い物についてもこの還元率が適用されます。
リクルートカードの利用で貯まるポイントは「リクルートポイント」ですが、より使えるところの多い「Pontaポイント」に等価で交換することができます。Pontaポイントはローソンをはじめとして多くの店舗で利用できるので、ポイントの使い道を心配する必要はありません。
REX CARDと同様に基本の還元率が高いので、コストコ以外の用途でカードを使う機会が多ければグローバルカードと比較する余地があります。リクルートが運営するじゃらんで宿泊予約をする方なら合計で3.2%の還元が受けられますし、オンラインモール「ポンパレモール」を利用すれば還元率は4.2%になるので、こうした点も考慮して検討してください。
楽天カード
楽天カード
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
特徴
- 還元率がどこでも1%! さらに最大で16%
- 新規入会&利用で5000円相当のポイントを獲得
- 入会と「楽天e-NAVI」への登録で、2000ポイントプレゼント
- カード申込翌月末までにカードショッピング1回以上の利用で、3000ポイント(期間限定ポイント)プレゼント
- 楽天グループのサービスでの利用で2倍〜最大16倍※SPU(スーパーポイントアッププログラム)により、さまざまな条件あり
- 家族カード年会費:無料
楽天カードは楽天グループの発行するベーシックなカードで、基本の還元率は1.0%です。
コストコでの還元率も1.0%ですが、ポイントが最大で3倍になる優待店が多数あります(要エントリー)。また、楽天市場での買い物は基本が3倍で、楽天ひかりや楽天モバイルなど他の楽天グループのサービスを併用すると最大で14倍までアップします。
楽天カードは付帯サービスが充実していますし、入会キャンペーンも常時行われています(2020年5月は合計5000円相当のポイント付与)。コストコだけでなく楽天市場もよく利用するなら比較してみることをおすすめします。
まとめ
- コストコで使えるクレジットカードはMastercardブランドのみ
- コストコグローバルカードは、コストコで日常的に買い物をする方にはおすすめできる
- クレジットカードの使い方次第ではコストコをよく利用していても他のカードの方が有利なこともあるので、比較して決めるべき