目次
出光カードまいどプラスのメリット・デメリット
まず、出光カードまいどプラスがどんなカードなのか、その特徴を見ていきましょう。
出光カードまいどプラスとは? どんな人が作れる?
出光カードまいどプラスは出光クレジット株式会社が発行するクレジットカードです。年会費は本人会員・家族会員ともに永年無料で、ETCカードも無料で作れます。
出光カードまいどプラスは出光SS(サービスステーション)での給油(ガソリン・軽油)や灯油の購入時に割引を受けられるのが特徴です。こうしたカードは通称「ガソリンカード」と呼ばれます。

18歳以上で電話連絡が可能な方(高校生を除く)であれば申し込みができますが、未成年者および学生(成年を含む)の場合は親(または親権者)の了承が必要です。
出光カードまいどプラスのメリット
ガソリンカードに興味をもつ方にとってもっとも関心があるのは「ガソリン代がいくら安くなるか」ではないでしょうか。そこで、出光カードまいどプラスを作るとどんな形で値引きを受けられるのかという点を中心に、そのメリットを解説します。

ガソリン・軽油がいつでも2円引き
出光SSで給油するにあたり出光カードまいどプラスで代金を支払うと、いつでもガソリン・軽油が1リットルあたり2円引き(灯油は1円引き)になります(通常値引き。なお、入会後1ヶ月間はガソリン・軽油が5円引き、灯油は2円引き)。
例えば、月間の給油量が100リットルなら毎月100×2円=200円、年間で2400円お得です。ただし月間の上限は300リットルであることと、割引が適用されないSSがあることに注意が必要です。
「ねびきプラスサービス」で最大8円引き
1リットルあたり2円の値引きにそれほど魅力を感じないという方もいるかもしれません。しかし、年会費500円を支払って「ねびきプラスサービス」に申し込むと、毎月11日~翌月10日までのショッピング利用金額に応じ、以下のようにガソリン・軽油の値引き(灯油は対象外)を受けることができます(「ウェブ明細」の登録が必須。ウェブ明細に登録すると「ご利用明細書」の郵送が停止されます)。
ショッピング月間利用金額(税込) | ねびきプラス単価 | 通常値引き | 値引き単価合計 |
---|---|---|---|
3万円未満 | 0円 | 2円(1円) | 2円(1円) |
3万円以上4万円未満 | 1円 | 3円(2円) | |
4万円以上5万円未満 | 2円 | 4円(3円) | |
5万円以上6万円未満 | 3円 | 5円(4円) | |
6万円以上7万円未満 | 4円 | 6円(5円) | |
7万円以上8万円未満 | 5円 | 7円(6円) | |
8万円以上 | 6円 | 8円(7円) |
※ カッコ内は軽油
例えば、月間のショッピング利用金額が6万円なら適用される値引き単価は6円(ガソリンの場合:ねびきプラス単価4円+通常値引き2円)なので、給油量が100リットルなら月間で600円の値引きを受けることができます。年間では7200円なので、年会費550円(税込)を差し引いて6650円お得になります。
月に6万円もカードで買い物をしないという方もいるかもしれませんが、公共料金や携帯電話の支払いなどをすべてカードにまとめたり、スーパーで買う食料品の代金をカードで支払ったりすれば、決して届かない金額ではないはずです。少しでもガソリン代を安くしたいのであれば検討してみましょう。
なお、通常値引きを受けられる上限は300リットルですが、ねびきプラスサービスの適用を受けられるのは100リットルまでなので注意してください。
ウェブ明細で毎年5月はさらに3円引き
毎年5月10日時点でウェブ明細に登録済みの会員は、4月11日~5月10日の間に出光SSで給油した分について3円(ガソリン・軽油とも)の値引きを受けることができます。これを「エコねびき」といいます。
また、ウェブ明細を利用すれば明細の発行月ごとに10ポイントがもらえる(ポイントについては後述)ので、カードを作ったら早めに登録しておきましょう。なお、エコねびきの適用上限は100リットルです。
ロードサービスが年間750円で利用可
出光カードまいどプラスの会員は、年会費750円(プラスポイント850ポイントでもOK。本人会員・家族会員ともに1名あたり)を支払って「出光ロードサービス」に入会すると、バッテリーあがりなどのトラブル時にサポートを受けることができます。1500円(プラスポイント1650ポイントでもOK)を支払えば「出光スーパーロードサービス」にグレードアップすることができ、さらに充実したサービスを受けられるようになります。
サービスの内容を一覧にすると以下のとおりです。
サービスの内容 | 出光ロードサービス | 出光スーパーロードサービス |
---|---|---|
年会費 | 750円 | 1500円 |
バッテリーあがり | ◯ | ◯ |
ガス欠 | ◯ | ◯ |
キー閉じ込み | ◯ | ◯ |
スペアタイヤ交換 | ◯ | ◯ |
落輪引き上げ | ◯ | ◯ |
その他軽作業 | ◯ | ◯ |
レッカーサービス(10kmまで無料) | ◯ | ◯ |
レンタカーサポート(税込1万円まで無料) | - | ◯ |
帰宅費用サポート(税込2万円まで無料) | - | ◯ |
宿泊サポート(税込1万5000円まで無料) | - | ◯ |
自家用であれば乗用車だけでなく貨物自動車も対象になりますが、原付や二輪車は対象外です。また、レンタカーサポート・帰宅費用サポート・宿泊サポートはいずれも自宅から直線距離で100キロ以上離れた場所でないと利用できない点に注意してください。
ポイント還元を受けられる
出光カードまいどプラスは、ショッピング利用1000円につき5ポイントの「プラスポイント」(1ポイント=1円相当)をもらうことができます(還元率0.5%)。国際ブランドでAmerican Expressを選択した場合は海外での利用分について10ポイント(1%)の還元になります。
なお、出光SSで購入したガソリン・軽油・灯油の支払いはポイント付与の対象外になります。これらは通常値引きの対象だからと考えてよいでしょう。また、キャッシングの利用分や各種年会費なども対象外です。
西友・リヴィン・サニーで5%OFF
毎月第1・第3土曜日に全国の西友・リヴィン・サニーで利用した分については5%OFF(一部対象外の店舗・商品あり)となります。
アメックスの優待が利用できる
国際ブランドでAmerican Expressを選択した場合は会員限定のキャンペーンやショッピング・ホテルなどの優待プログラム(アメリカン・エキスプレス・コネクト)を利用することができます。一例を挙げると以下のとおりです。
- エクスペディアを通じて予約したホテルやツアーの料金が8%OFF
- American Expressが厳選したレストランで飲食代金20%OFF
- スターバックスオンラインサービスの利用で500円キャッシュバック
※ 内容は随時変わります。有効期間にご注意ください。
出光カードまいどプラス
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
出光カードまいどプラスのデメリット
次に、出光カードまいどプラスが他のカードと比べて弱い点について解説します。

旅行傷害保険が付帯されない
出光カードまいどプラスには旅行傷害保険が付帯されません。旅行傷害保険が必要な場合は「出光ゴールドカード」(年会費1万円)や「”ザ・ゴールド” 出光 セゾン・アメリカン・エキスプレス・カード」(年会費7000円)も検討してみましょう。
ポイントの還元率がやや低い
先述のとおり、出光カードまいどプラスのポイントによる還元率は0.5%が基本です。ガソリンや軽油の還元率は決して悪くありませんが、還元率が1%以上のクレジットカードも多いので、その他の支払いについては今ひとつであることは否めません。
電子マネー非対応
出光カードまいどプラスは電子マネー非対応です。ただしApple Payには対応しており、QUICPay加盟店で利用することができます。
「出光カード」と「出光カードまいどプラス」はどう違う? ガソリン代をシミュレーションで比較
出光クレジットが発行するクレジットカードにはいくつか種類がありますが、その中で年会費が安く、出光カードまいどプラスと比較して検討する価値のあるカードがあります。それが「出光カード」です。両者の違いを一覧にすると以下のとおりです。
出光カードまいどプラス | 出光カード (た~まるコース) |
出光カード (ね~びきコース) |
|
---|---|---|---|
年会費 | 本人会員:無料 家族会員:無料 |
本人会員:1250円 家族会員:400円 |
|
ポイントによる還元率 | 0.5% | 1% | - |
ガソリン・軽油値引き |
|
|
|
ロードサービス年会費 | 750円 | 750円 ※初年度無料 |
|
入会キャンペーン |
|
|
|
ETCカード | 無料 | 無料 |
出光カードは年会費が有料です。その代わり、ポイント還元率やガソリン代の値引き単価に違いがあります。また、ロードサービスの年会費が初年度無料になる点も違います。
どちらのカードがお得なの?
月間のガソリン給油量100リットル、月間のショッピング利用額6万円という条件で値引き額がいくらになるかまとめると以下のとおりです。
カード・コースの種類 | 年間の値引き額(年会費控除前) | 年会費(税込) | 年間の値引き額(年会費控除後) |
---|---|---|---|
出光カードまいどプラス | 2400円 ※エコねびきは考慮していません |
- | 2400円 |
出光カードまいどプラス (ねびきプラスサービス加入) |
7200円 | 550円 | 6650円 |
出光カード(た~まるコース選択) | 7200円 | 1375円 | 5825円 |
出光カード(ね~びきコース選択) | 7200円 | 1375円 | 5825円 |
値引き額だけを単純に比較すると、出光カードまいどプラスで「ねびきプラスサービス」に加入するのが有利に見えますが、出光カードは初年度のロードサービスが無料になるメリットやエンジンオイルの値引きもあります。利用の仕方によって結論が変わる可能性が高いので、自身の条件でシミュレーションをして判断してください。以下で試算の根拠を解説します。
「た~まるコース」の値引き額
「た~まるコース」を選択した場合は基本的にガソリンの値引きを受けられず、代わりに一般的なクレジットと同じようにポイントが貯まるようになります(100円につき1ポイント)。
4月11日からの1年間で獲得したポイントが2000ポイント以上になると、さらにボーナスポイント(2000円ポイント以上3000ポイント未満の場合は200ポイント、以降1000ポイントごとに100ポイント追加)ももらえます。
貯まったポイントは商品やサービスと交換したり、ショッピングの請求額に充てたりすることができますが、2400ポイントを1口としてガソリン値引き(1年間)を受けることもでき、最大15口まで申し込むことができる点に特徴があります。
例えば、月に6万円のショッピング利用がある場合、6万円×12ヶ月=72万円、72万円÷100円+700ポイント(ボーナスポイント)=7900ポイントなので、最大3口を申し込むことができます。
そうすると、ガソリンや軽油は6円の値引きを受けられるので、月間の給油量が100リットルなら100×6円=600円、年間で7200円相当の値引きを受けられることになります(ガソリンや軽油は月間200リットル、灯油は300リットルまで)。年会費(税込)を差し引けば5825円の得になります。
「ね~びきコース」の値引き額
「ね~びきコース」を選択した場合、月間の請求金額1万円につき「ね~びきポイント」が1ポイント貯まります(最大20ポイント)。こちらはた~まるコースと違い、翌月のガソリン代について1ポイント1円(灯油は0.5円)で値引きを受けることができます。
例えば、月に6万円のショッピング利用があれば、翌月はガソリンや軽油なら6円引きで給油できます。給油量が100リットルなら600円、1年間続けば7200円の値引きを受けられます。こちらも年会費を差し引けば5825円分のメリットがあります。
なお、ポイントは1万円単位で付与されるので、1万円未満の金額が切り捨てられます。リボ払いや3回以上の分割払いはポイントが2倍になりますが、手数料を考慮すると不利なので、値引き目当ての利用はおすすめできません。
出光カードまいどプラスは他のガソリンカードとどう違う? ガソリン代をシミュレーションで比較
ガソリンカードは出光が発行するカード以外にもいくつかあります。ここでは同じ条件でガソリン代がいくら違うか、具体例を挙げてシミュレーションをします。条件は以下のとおりです。
- 月間の給油量:100リットル
- 燃料:レギュラーガソリン
- 月間のカードショッピング利用金額:6万円
どのカードがお得なの?
ここで取り上げるカードはシェルスターレックスカード、ENEOSカード C、コスモ・ザ・カード・オーパスの3つです。結論から示すと以下のとおりです。
出光カードまいどプラス(ねびきプラスサービス加入) | シェルスターレックスカード(スタープライズコース) | ENEOSカード C | コスモ・ザ・カード・オーパス | |
---|---|---|---|---|
値引き額 | 7200円 | 9600円 | 6000円 | 4800円※2 |
年会費 | 550円 | 1375円(税込)※1 | 1375円(税込)※1 | 無料 |
差引 | 6650円 | 8225円 | 4625円 | 4800円 |
※1 2年目以降という前提で試算しています。いずれも初年度の年会費は無料です。
※2 1リットルあたりの値引き単価を平均4円としています。
ただし、この結論はあくまで上記の試算条件を前提とした話です。実際にはカードの利用金額や給油量によって結論が変わるので、どのカードがベストなのかは自身でシミュレーションを行って結論を出すしかありません。
シェルスターレックスカードはハイオクとレギュラーで値引き単価が異なるので、ハイオクなら積極的に検討する価値があるでしょう。コスモ・ザ・カード・オーパスはイオンカードとしての機能ももっているので、イオンをよく利用する機会がある方ならメリットが大きいです。値引き単価以外の要素も考慮して決めましょう。
以下、それぞれのカードの試算結果について説明します。
シェルスターレックスカード(スタープライズコース)
シェルスターレックスカードのスタープライズコースは、6ヶ月ごとのカード利用金額に応じて翌6ヶ月間の値引き単価が決まります。還元ランクは5段階で、以下のような基準となっています。なお、Web明細サービス「ご利用明細ネット切替サービス」に登録すると追加で1円引きになります。
還元ランク | 6ヶ月間のカード利用金額 | 翌6ヶ月間の還元単価 (Web明細サービス登録済) |
|
---|---|---|---|
ハイオク | レギュラー | ||
5 Star | 60万円以上 | 13円 | 8円 |
4 Star | 42万円以上60万円未満 | 11円 | 6円 |
3 Star | 30万円以上42万円未満 | 9円 | 4円 |
2 Star | 12万円以上30万円未満 | 6円 | 3円 |
1 Star | 12万円未満 | 4円 | 2円 |
月間のカードショッピング利用金額が6万円なら半年で72万円なので、還元ランクは5 Starです。そのためレギュラーガソリンは8円引きとなるので、年間の値引き額は100リットル×8円×12ヶ月=9600円となり、年会費(税込)を差し引くと8225円となります。
なお、還元単価の適用は月間150リットルまでですが、500円(6ヶ月間)の費用を払って「還元給油量オプション」を付加すると350リットルまで引き上げることができます。
ENEOSカード C
ENEOSカードはC・P・Sの3種類があります。ここではそのうちキャッシュバックタイプである「ENEOSカード C」を取り上げました。ENEOSカード Cは以下のように、月間のカード利用金額に応じて値引き単価が決まります。
月間のカード利用金額 | 値引き単価 |
---|---|
1万円未満 | 1円引き |
1万円以上2万円未満 | 2円引き |
2万円以上5万円未満 | 4円引き |
5万円以上7万円未満 | 5円引き |
7万円以上 | 7円引き |
月間の利用金額が6万円なら5円引きとなるので、年間の値引き額は100リットル×5円×12ヶ月=6000円となり、年会費(税込)を差し引くと4625円となります。なお、値引き単価の適用は月間150リットルまでです。
コスモ・ザ・カード・オーパス
コスモ・ザ・カード・オーパスは、コスモ石油で給油するときにコスモ・ザ・カード会員価格が適用されるカードです。年間のカード利用金額は価格に影響しません。
価格は店舗によって異なるため一概には言えませんが、2~6円程度の値引きになるようです。仮に値引き単価が平均4円なら、年間の値引き額は100リットル×4円×12ヶ月=4800円となります。
なお入会から最大3ヶ月間は、最大50リットルまで1リットルにつき10円がキャッシュバックされます。
楽天カード、dカードはENEOSでポイントアップ
楽天グループが発行する「楽天カード」とドコモが発行する「dカード」は、ENEOSサービスステーションでの給油について、通常よりもポイントの還元率が高く設定されています。
いずれも通常の還元ポイントは100円につき1ポイントですが、特典としてさらに200円につき1ポイントが加算され、あわせて1.5%の還元となります。楽天カードの場合は上限が楽天IDごとに5万ポイントまでと設定されていますが、これが問題になる方は少ないでしょう。
なお、月間の給油量が100リットル、単価が130円(税込)ならガソリン代は1万3000円なので、1万3000円÷100円×1.5=195ポイントが付与されます。年間では2340円相当です。値引き額はそれほどではありませんが、年会費はいずれも無料です。値引き単価以外の要素も考慮して検討してください。
まとめ
- ガソリンカードは種類やコースが豊富。ただし、どのカードが有利なのかは利用の仕方によって変わるので、自身でシミュレーションをして結論を出すべき
- 年会費が有料のカードを利用すると、そのスタンドでの給油にしばられる可能性がある
- カードの値引きにとらわれるとスタンドごとの単価の違いを意識しなくなる可能性がある