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法人カードでマイルを貯めることはできる?
そもそもの話として法人カードの利用でマイルを貯めることができるのかどうかですが、法人カードであっても個人のカードと同じようにマイルを貯めることはできます。
ただし、法人カードの中には航空機の利用でのみマイルが発生し、他の買い物などではマイルが貯まらないカードなどもあり、必ずしも個人カードと同じようにマイルが貯まるとは限らないため注意が必要です。
マイルについて詳細は、以下の記事を参考にしてください。
『【初心者向け】マイルとは何か?JALとANAの違いと貯め方・使い方を解説』
法人カードでマイルを貯める方法とは
法人カードでマイルを貯めるためには、第一にマイルを貯められる種類のカードを選ぶ必要があります。
作りたいカードがマイルを貯められるかどうかを最初によく確認しておきましょう。マイルに対応したカードであれば、出張や社員旅行などの経費の決済に法人カードを使うことで、自動的に支払い額に応じたマイルが貯まっていきます。
また、法人カードに貯まったポイントをマイルに変換するという方法もあります。ただ、カードの種類によっては、ポイントをマイルに変換するために手数料が必要な場合もあるため、ポイントの変換を考える際には、マイルにより得られる利益と手数料を天秤にかけて、より得になるようなカードを選んだ方が良いでしょう。
法人カードでマイルを貯めるメリット
法人カードでマイルを貯めるメリットとして、個人カードと比べても多くのマイル・ポイントが貯まりやすいという点が挙げられます。

法人カードは出張費や備品代、公共料金などの諸経費をまとめて支払うことが多いため、個人カードでの支払いと比べて支出金額が高額になる傾向にあります。
マイルやポイントは支出金額に対する割合で貯まっていくため、その分だけ法人カードは多くのマイルやポイントが貯めることができます。特に出張が多い職業の人などは、個人で貯まるマイルの何倍ものマイルを法人カードで貯めていることも少なくありません。
法人カードを比較する際にチェックすべき3つのポイント
法人カードでマイルを貯められることはわかりましたが、どんなカードがマイルを貯めるのに適しているのでしょうか。ここからはマイルの貯まりやすい法人カードを見分けるためにチェックすべき3つのポイントを紹介します。
- マイルの還元率の高さ
- ポイントの還元率の高さ
- 法人カードのマイルやポイントの付き方に注意
(1)マイルの還元率の高さ
マイルの貯まりやすさとして、もっともわかりやすい指標は、マイルの還元率の高さがあります。マイルは支払い金額に対して一定の割合で貯まっていきますが、この割合を還元率といいます。
例えば、マイル還元率が1%であれば、100円の支払いごとに1マイルが貯まっていくという仕組みです。
当然、マイル還元率が2%、3%と高くなれば、貯まるマイルも割合の分だけ多くなるため、マイル還元率の高さはマイルの貯まりやすさと直結しているといえます。
(2)ポイントの還元率の高さ
法人カードでは、多くの場合、支払いの際にマイルではなくポイントが付与されます。そのため、ポイントをマイルに変換することを考えると、ポイントの還元率もマイルの還元率同様に重要となります。
ただし、ポイントをマイルに変換する際の変換率はカードによって異なる場合があります。
ポイント還元率が高くても、ポイントをマイルに変換する際の変換率が悪ければ、結果としてマイルはほとんど貯まりません。そのため、マイルの貯まりやすさを判断するためには、ポイント還元率だけでなくマイルへの変換率も考慮する必要があります。
(3)法人カードのマイルやポイントの付き方に注意
法人カードでマイルを貯めようとする際、マイルやポイントの還元率の高さに注意を引かれがちですが、他にも気を配るべきことがあります。それが、マイルやポイントの付き方です。
代表的な例として、マイルを貯められる個人カードの多くは普段のショッピングでマイルが貯まりますが、法人カードではフライトでしかマイルが貯まらないというカードがあります。
おもに出張などで法人カードを使うという方であればそれでもいいかもしれませんが、諸経費を法人カードで支払うことが多い人は買い物の際にもポイントやマイルを貯められるカードを選んだ方がより多くのマイルを貯めることができます。
また、カードごとに貯められるポイントやマイルの種類は違うため、カードを選ぶ際には自分のよく利用する航空会社のマイルを貯められるかどうかを確認しておくことも重要です。
マイルを貯めやすい!おすすめの法人カード5選
前項ではマイルの貯めやすいカードを選ぶためのポイントを解説しましたが、それでも数多くある法人カードの中からどれを選べばいいのか自分で判断するのは大変だと思います。
そこで、以下にマイルを貯めやすい法人カードを5枚紹介します。
クレジットカード名 | 年会費 | マイル還元率 | マイルの種類 | ポイント還元率 | マイル移行手数料 |
---|---|---|---|---|---|
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード | 2万円 | 最大1.125% | JAL、ANA | 0.5% | 無料 |
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード | 3万1000円 | 最大1.0% | ANA | 0.3% | サービス利用状況による |
セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード | 1000円 | 最大0.3% | JAL、ANA | 0.5% | 無料 |
ANA JCB法人カード(一般カード) | 2250円 | 最大1.0% | ANA | 0.5% | 5000円(年間) |
JAL 法人カード(普通カード) | 2000円 | 0.5% | JAL | なし | 無料 |
ここからはそれぞれのカードの情報を簡単に説明していきます。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカード
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードは、セゾンの永久不滅ポイントを貯め、JALおよびANAマイルに変換することのできる法人カードです。
また、無料で登録できるSAISON MILE CLUBへ別途登録を済ませることで、ポイントの貯まり方は2000円で1ポイント(還元率0.25%)になりますが、1000円の支払いごとに10マイルが貯まるよう設定することもできます。
また、ポイントは200ポイントごとにJALマイルを500マイルに変換することができます。1000円ごとに貯まる10マイルと、2000円ごとに貯まるポイントを変換したマイルを合わせることで、マイル還元率は最大で1.125%となります。
ちなみに、SAISON MILE CLUBで貯まるポイントはJALマイルのみですが、200ポイントごとにANAマイルを600マイル(還元率0.3%)変換して貯めることもできます。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードは、年会費は3万1000円とやや割高なものの、その分付帯サービスの充実した法人カードです。
「メンバーシップ・リワード ANAコース」(年間参加費5000円)に登録することで、ANAマイルに変換可能です。
また、「メンバーシップ・リワード・プラス」(年間参加費3000円)に参加していれば、対象加盟店・サービスでのカードの利用で、100円につき1ポイントに加え、ボーナスポイント2ポイントを獲得することができます。
ポイントを最大3%の還元率で貯め、ANAマイルに移行して使用するためには、年間で8000円かかることになりますが、その分効率的にポイントおよびマイルを貯めることができます。
セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードは、年会費が1000円の法人カードです。
マイルは200ポイントごとにANAマイルなら600マイル、JALマイルなら500マイルに変換することができます。その場合のマイル還元率は0.3%ほどと高くはありませんが、年会費も安く、またANA、JALの両方のマイルに変換できるため、使い勝手の良いカードだといえます。
ポイントは通常であれば還元率0.5%ほどになりますが、クラウドワークスやマネーフォーワードなどの特定のサービスを利用するとポイントが4倍(還元率2%相当)になる限定サービスもあります。
また、海外ショッピングをすれば通常の2倍(還元率1%相当)のポイントが貯まります。海外でのショッピング利用が多い方で、年会費をかけすぎずにマイルを貯めたいなら、おすすめしたい1枚です。
ANA JCB法人カード(一般カード)
ANA JCB法人カード(一般カード)
- 国内旅行保険
- 海外旅行保険
- ETCカード
- 家族カード
- 初年度無料
ANA JCB法人カードはANAが発行している法人カードで、ポイントの変換はANAマイルのみとなっています。
ANAグループ便に搭乗のたび、フライトマイルが貯まるほか、区間ごとに割り増しボーナスマイルがもらえます。また、ANA JCB法人カードに入会時、また継続時には1000マイルのボーナスマイルを獲得することが可能です。
また、利用金額1000円につき、1ポイントのOkiDokiポイントを貯めることもできます。通常獲得のOkiDokiポイントは1ポイントにつき10マイル(ボーナスポイントは1ポイント=3マイル)に変更できます。マイル移行手数料として、年間5000円がかかるため、ポイントの移行を考えている場合は、年会費5000円の法人カードだと考え、他のカードと比較するとわかりやすいでしょう。
JAL 法人カード(普通カード)
JAL 法人カードはJALの発行する法人カードです。個人カードと異なり、ショッピングマイルは貯まりませんが、JALグループ便の利用でフライトマイルがつきます。JAL法人カードのフライトマイルは、搭乗区間ごとに定められている「区間マイル」と、運賃に対応した「マイル積算率」から算出されます。
それに加え、JALカード会員だけの3つのボーナスマイルを獲得することができます。
JALカードに入会後、初めての搭乗で最大5000マイル、また毎年初回搭乗時には最大2000マイル、さらに搭乗ごとにフライトマイルの最大25%が追加で貯まります。
JALグループ便に乗れば乗るほどマイルが貯まる仕組みになっているので、JALマイルを貯めたい方はもちろん、JALグループ便をよく利用する方におすすめできます。
マイルを貯めるときの注意点
ここまで法人カードを使ってマイルを貯める方法を紹介してきましたが、マイルを貯める際には気を付けるべきことがいくつかあります。
ポイント→マイルの移行は手数料がかかることも
カードによっては、ポイントをマイルに移行するためには手数料が必要なケースがあります。
そのため、単純にポイントの還元率だけを見るのではなく、マイル移行の際の手数料や交換レートも計算に入れて、どのカードを利用するのがよりお得かを考えた方がいいでしょう。
マイル移行手数料は多くのカード会社で、移行ごとではなく年間手数料として発生することが多いため、マイルへの移行を必須として考えているなら年会費と合算して考えることもできます。

また、カードによってJALとANA、どちらか一方のマイルにしかポイントを移行できない場合も多いです。JALおよびANAのどちらのマイルを貯めたいのか、またどちらも貯めたいのかなどをよく考えた上で、発行する法人カードを選びましょう。
互換性に注意
貯めたマイルを全ての航空会社で使えるわけではありません。航空会社ごとで取り扱っているマイルは別物と考えた方がいいでしょう。
例として挙げると、日本の代表的な航空会社であるJALとANAのマイルもそれぞれ別物であり、JALのマイルをANAで使ったり、逆にANAのマイルをJALで使ったりといったことはできません。
ただ、全ての航空会社のマイルが別物かというとそうとは限りません。航空会社はアライアンスと呼ばれるいわゆる航空会社のグループに加入しており、同じアライアンスに所属している航空会社間では同じマイルを利用しています。
例えばANAは「スターアライアンス」というアライアンスに加入しているため、同じスターアライアンス加入の航空会社を利用する際にはANAのマイルを利用できます。
また、同じようにJALであれば「ワンワールド」というアライアンスに加入しています。そのため、航空会社を選ぶ際にその会社がどのアライアンスに加入しており、どのマイルに対応しているのかを確認しておくといいでしょう。

法人カードで貯めたマイルを個人利用することは可能
法人カードでマイルが貯められることはわかっても、そのマイルを個人で利用できなければマイルを貯める意味は薄いと思われる方も多いと思います。そこで、ここからは法人カードで貯めたマイルを個人で利用してもいいのかどうかについて解説していきます。
法人カードを利用して貯めたマイルは個人のもの
前提として、法人カードを利用することで貯まったマイルは、マイルを貯めた個人のものとして扱われることが多いです。これは、マイレージが法人には付与されないためです。
例えば、JALのカードショッピングマイル規約では、第二条に『JSMの対象となるカード会員は、個人本会員に限ります。法人会員は対象となりません』とあり、他の航空会社も同じようにマイルはカードを利用する個人に対して付与するように規約で定めています。そのため、規約の観点から見ると、マイルはあくまで法人ではなくカード利用を利用する個人のものということになります。
マイルの個人利用は会社規定による
航空会社の利用規約ではマイルは個人に対して付与されるものとされていますが、だからといって必ずしもそれを個人利用していいかというと、そうとも限りません。
法人カードで貯めたマイルを使っていいかどうかは、基本的には会社の規定によって異なります。
あくまでカードの年会費や利用代金を支払っているのは会社であるため、個人利用を禁じている会社も少なくありません。規約でマイルの個人利用が禁止されているケースでは、それに反することで会社からの罰則を受ける可能性もあるため、マイルを利用したいのであればあらかじめ会社の規約を確認しておきましょう。
まとめ
法人カードの利用でもマイルを貯めることはできますが、カードによってはショッピング時にはマイルが貯まらないなど、個人カードとはポイントの付き方が違う場合もあるため注意が必要です。
貯めたマイルは原則としてカードを使用した個人のものではありますが、そのマイルを個人で私的で利用していいかどうかは会社の規約によっても異なります。
ただし、私的に利用ができずとも、マイルを使い、航空券の購入にあて経費を削減したり、削減した経費の分を社員のボーナスにあてたり、有効活用することは可能です。ぜひ法人カードでマイルを貯めましょう。