【専門家が解説】法人におすすめのビジネスカード5選と導入メリット

更新

法人カードの利用を検討する男性

「法人カードを導入したいけど実際メリットはどの程度ある?」
「どんな法人カードを選べば失敗しない?」

法人カードの導入を検討しているものの、本当にメリットがあるのかどうかは気になりますよね。また、会社に合ったカードを選ぶための観点はよく見極める必要があります。

この記事では、これから法人カードを導入したいと考えている方のために、クレジットカードの専門家である岩田昭男さんと、税理士の田邊龍彦さんの2人の専門家にアドバイスを頂いています。

法人カードを導入することのメリットやカードの選び方、おすすめのカードが全部わかりますよ。

目次

個人事業主・小規模企業向けの法人カードとは

クレジットカードには、法人用の「法人カード」と一般の「個人カード」があります。

法人カードと個人向けクレジットカードの一番の違いは、個人向けカードがプライベートな支払いのために利用するカードで、法人カードが経費の支払いに利用するカードである点です。

ボックス:アイコン

法人カードと個人カードの違い

  1. 年会費
    ⇒個人向けカードは年会費無料のものがたくさんありますが、法人カードはそのほとんどが有料です。
  2. 審査基準
    ⇒法人カードは、申込者が個人事業主であれば個人向けクレジットカードの審査基準に近く、法人であれば決算が黒字かどうかが大事です。
  3. カードの発行枚数
    ⇒個人向けクレジットカードは家族カードを発行できます。法人カードの場合は、法人代表者や役員だけでなく一般社員用により多くのカード(追加カード)を発行してもらえます。

さらに法人カードの中にも、大企業向けの「コーポレートカード」と、中小企業、個人事業主向けの「ビジネスカード」があります。

法人カードは利用する企業の規模によって、以下のように分類されることがあります(小規模企業の目安は従業員数20名以下程度)。

個人事業主・小規模企業向け 中規模~大手企業向け
ビジネスカード コーポレートカード

この記事では「ビジネスカード」に焦点を当てて、おすすめのカードと導入のメリットを紹介していきます。

法人カードのメリットは経理処理の簡略化

法人カードを使うことの最大のメリットは、経費処理・事務処理を簡略化することができる点です。

経費処理・事務処理の簡略化の中でも大きなメリットである4つの点について、税理士の田邊龍彦さんに詳しく解説していただきました。

税理士田邊龍彦さん

監修者プロフィール

税理士会弘前支部税務支援部長。青森県弘前市で税理士事務所を開いている。士業の法定講習や小学校等で講演実績多数。

メリット:アイコン画像 メリット1

支払いの管理が楽

メリット:アイコン画像 メリット2

記帳の自動化

メリット:アイコン画像 メリット3

経費申請処理の軽減

メリット:アイコン画像 メリット4

納税が24時間可能

メリット:アイコン画像
メリット1

支払いの管理が楽

支払が月1回になることおよび支払明細書の発行により、支払いの管理が楽になります。
個人事業主の場合も、法人カードであれば、業務上の出費をまとめることが可能です。

メリット:アイコン画像
メリット2

記帳の自動化

法人カードで経費の決済を行えば毎月の経費を明細書でまとめて確認できるようになり、そのまま経費処理システムに流用することが可能なため、経費の計上漏れをなくすことができます。
領収書の紛失や失念といった請求漏れのリスクが軽減される点も、大きなメリットです。

メリット:アイコン画像
メリット3

経費申請処理の軽減

出張旅費・接待費などの会社関連の支払いを法人カードで一本化すれば、立替支いや前払金の管理が不要となり、経費申請処理の負担が軽減されます。

メリット:アイコン画像
メリット4

納税が24時間可能

クレジット納付を使うことで、納税が24時間可能になります。

経理処理簡略化以外のメリット

法人カードには、経理処理・事務処理が効率化する以外にもメリットがあります。

ポイントの付与

クレジットカードを利用すると、利用金額に応じてポイントが付与されることがほとんどです。このポイントを貯めるとマイルや支払い、商品券等と交換が可能です。現金払いよりクレジットカード払いの方が、ポイント分だけメリットがあるといえます。

また、クレジットカードの種類によって、ポイントの還元率も変わってくるので、カードを選ぶ際の重要な要素となってきます。

ビジネスで使える付帯サービス

法人ビジネスカードには、ビジネスに役立つ付帯サービスが充実しているものがあります。

例えば、国内外の旅行傷害保険の補償、国内外の空港ラウンジを利用可能、規定の回数内なら無料で税理士相談が受けられる、といったサービス等です。これらも法人ビジネスカードを作るメリットとなります。

福利厚生サービスが使える

法人カードには「ベネフィット・ステーション」や「クラブオフ」のような福利厚生サービスが付帯されていることが多いです。これは個人向けカードにはあまり見られない特典です。

法人カードは6つの評価観点で選ぶ

法人カードは、主要なものだけでも20種類以上あります。事業に合った法人カードを選ぶために、評価観点をそれぞれ詳しくまとめました。

さらに、この後の見出しでは厳選した5枚のおすすめカードを紹介していますが、その選定基準もこちらの6つの観点で評価しています。

ボックス:アイコン

法人カード評価観点6つ

  1. 年会費の安さ
  2. ステータスの高さ
  3. 限度額の高さ
  4. 追加カードの発行費用
  5. 審査の流れ
  6. 還元率の高さ

1.年会費の安さ

法人カードは、個人カードと比べて充実したサービスや機能があるため年会費が有料に設定されているカードが多くなっています。

ポイント還元や付帯サービスで還元されることもありますが、基本的にはなるべく安い年会費のカードから検討しましょう。

2.ステータスの高さ

ステータスの高い法人クレジットカードを持っていると、取引先から見て法人としての信用が高まることがあります。

無理にステータスを上げる必要はありませんが、基準の1つとして考慮に入れましょう。

3.限度額の高さ

法人クレジットカードは、個人カードと比べて限度額の高さが特徴です。

一般カードが200万円未満なのに対し、300万~500万が限度額となっています。

事業規模が拡大するにつれて、限度額が大きい方が各種処理が楽になることが多くなるでしょう。

4.追加カードの発行費用

一般の個人カードの追加カードは発行費用は数百円で済むことが一般的ですが、法人カードは価格の幅がかなり広くなります。

今は個人事業主として一人の会社だったとしも、事業規模が拡大するともなって社員が増えるときに備えてチェックしておきましょう。

5.審査の通りやすさ

カード発行の審査は、カード会社の独自の計算方法で申込法人の「信用度」が評価されます。一般的には、ステータスが高く利用限度額が高いほど審査基準は厳しくなり、審査期間はカード会社により1週間~1ヶ月とさまざまです。

6.還元率の高さ

法人カードの一般的なポイント還元率は0.5%ですが、カードによってはさまざまなサービスを打ち出し、ポイント還元率を増やすことができます。

特定のお店で使用するとポイントが5倍になる、海外で使用するとポイントが2倍になるなど、さまざまな特典があります。

カードを選ぶ際にはどのような場合に還元率が高くなるのか、確認しておきましょう。

監修者からの一言:男性

田邊さんからの一言

カードの選び方ということで6つの観点がありましたが、経理処理の簡略化という観点でいえば以下の点も考えておくとよいでしょう。

  1. 月末締めのカードを選ぶ
    →月単位で経理処理しますので、経理期間と合わせると楽になります。
  2. 経理ソフトとAPI連携ができるカードを選ぶ
    →経理処理が簡略化します。

経理ソフトは多種多様ですが、カード連携機能を考えると下記2種類がおすすめです。

  1. freee
  2. MFクラウド
なお、カード決済の都度、データを経理ソフトに自動反映する場合と、カード会社の締め日に一括してデータ取得する場合がありますが、カード決済の都度取り込みをおすすめします。
経理ソフトの利用に規模は関係がありません。上位プランを選択することで上場企業にも対応が可能です(2019年マザーズ上場の3割が会計freeeを使用)
API連携ができるカードは経理ソフトによっても異なりますので、公式サイトを参考にしてみてください。

中小企業向け・おすすめ法人カード5選

法人カードのメリットと選び方がわかったところで、ここからは、法人カードのおすすめを紹介します。

クレジットカード専門家岩田昭男さん

監修者プロフィール

クレジットカード、電子マネー、キャッシュレス決済全般について30年以上取材・研究を続けているクレジットカード業界の第一人者。

クレジットカードの専門家である岩田昭男さんおすすめの法人カードを5枚ご紹介します。

ステータスや審査の通りやすさも含めて、6つの評価項目に点数をつけていただきました。六角形が広いほど評価が高いカードです。

コスパで選ぶなら三井住友ビジネスカードforOwners

三井住友ビジネスカード for Owners

年会費 無料※1
限度額 10~150万円
追加カード発行費 ¥400
還元率 0.5%

※2年目以降¥1,250

岩田さんからの一言

大手銀行系カードながら初年度無料で、さらに条件に合えば翌年以降も年会費無料になります。還元率は0.5%と平均的ですが、セブンイレブンなど大手コンビニで5倍になる特典もありコストパフォーマンスに優れます。

海外で自由に使うならアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード

年会費 ¥31,000
限度額 一律の上限なし
追加カード発行費 ¥12,000
還元率 1%
 

岩田さんからの一言

年会費13万円のプラチナカードまでは手が届かないが、ゴールドなら持ってみたいという向きにおすすめ。ビジネス情報サービス、コンサルティングサービス等粒ぞろいの特典で十分元が取れます。

審査が優しくて資金調達の道もあるオリコ EX GOLD for Biz M

オリエントコーポレーションEX Gold for Biz M(エグゼクティブ ゴールド フォー ビズ エム)

年会費 無料※1
限度額 10万円~300万円
追加カード発行費 無料(3枚まで)
還元率 0.6%

※2年目以降¥2,000

岩田さんからの一言

ステータス性は期待できませんが、会社立ち上げ直後であっても、構わず発行してくれます。二人でレストランに行って一人分がタダになる「招待日和」の特典は接待に役立つでしょう。

ステータスを誇るならラグジュアリーゴールドカード

LUXURY CARD(Mastercard Gold Card)

年会費 ¥200,000
限度額 一律の上限なし
追加カード発行費 ¥15,000
還元率 1.5%
 

岩田さんからの一言

24Kの金のブレードがずしりと重たく感じます。8月から会員内でビジネス起業を助け合うユニークな試みを開始。ゴールド会員の6割が個人事業主という特徴を生かした本邦初のトライです。

個人カードとしても充分ペイするNTTファイナンス Bizカードレギュラー

NTTファイナンスBIZ(レギュラー)

年会費 ¥0
限度額 40~80万円
追加カード発行費 ¥0
還元率 1%
 

岩田さんからの一言

年会費無料と1%の還元率で躍進中の法人カード。高還元率で貯めたポイントはキャッシュバックも可能。NTTグループの豊富な特典やサービスを利用できるのも魅力です。

法人カードの申し込みから審査まで

法人を対象とした法人カードを申し込むときは、個人向けカードを申し込むときとは違った書類が必要になり、少し手間がかかります。

三井住友カードの例で説明すると、申し込みにあたっては6ヶ月以内に発行された登記簿謄本(または印鑑証明書)と代表者の本人確認書類のコピーが必要になります。

三井住友カードを契約するまでの流れは以下のとおりです。カードの審査に通るまでの間に引き落とし口座も決めておきましょう。

  • オンライン申し込みフォームに入力
  • 申込書・必要書類を郵送
  • 入会審査
  • カード発行
  • カード到着・利用開始

また、JCB法人カードの場合は少し手順が違い、本人確認書類は審査に通ってから提出します。個人向けクレジットカードよりも書類のやりとりが多いので、申し込みからカード発行まで2~3週間ほどかかることがあります。

なお、その法人に「実質的支配者」(議決権の25%超を直接・間接保有するなどの支配的な影響力を有する個人)がいる場合、その確認が必要になることもあります。

ボックス:アイコン

法人カードの審査

法人カードの審査では、一般的に性格・支払能力・保有資産・自己管理能力が審査されます。
会計数字だと、支払能力である利益・売上・借入金の数値が重要です。
利益、売上は大きく、借入金は少ない財務状況が有利です。
法人カードを検討するのであれば、黒字決算を目指し、資産にできるものは資産計上特別償却より税額控除など決算書の利益を重視しましょう。
また、不要な借入はなくすこと、定款の事業目的を増やすことを意識し、収入は売上高で経理処理できるように工夫をしましょう。

専門家

田邊龍彦さん

なお、申し込みを有利にしようと業績を良く見せる粉飾決算は絶対にNGです。粉飾決算で懲役刑が科されるケースもあります。

まとめ

監修者ポイント:画像

この記事のまとめ

法人カードを使うと経理処理・事務処理を大きく簡略化できる
法人カードを使えば、お金の流れを効率的に管理できるようになり、負担が大幅に軽減されます。
法人カードは6つの観点で評価して選ぶ
ご自身に合った法人カードを選ぶには、年会費、ステータス、限度額、追加発行費用、審査の通りやすさ、還元率の6つの観点で評価しましょう。

法人カードの記事一覧

おすすめ記事

カテゴリー一覧